声優さんやアーティスト、アイドルを応援しているみなさんは、「自分の思いを何らかの形で相手に伝えたい!」「感謝を形にしたい!」と思ったことがあるのではないでしょうか。
その中に、イベントで“祝い花を贈る”というものがあります。
これが、『祝い花』と呼ばれるものです。
とはいっても、
「お花を贈るのはハードルが高い」
「何をどうしたら贈れるかがわからない」
「でも、お高いんでしょう?」
と、様々な不安があると思います。
実は、祝い花でも楽屋花は、3,000円程度から贈ることができます!
また、フラワースタンドと比べてもかなりお手軽で、ハードルが低いんです。
さらに、楽屋花にはフラワースタンドにはないメリットもあり、楽屋花を贈ろうか迷っている人がいたらぜひ後押ししたい!と思い、この記事(コラム)を書いてみました。
ということで今回は
『祝い花を贈るにはどうしたらいいの?』
について、楽屋花を例にご紹介してみたいと思います。
なお、フラワースタンドの出し方については他の方がたくさん記事を書かれていますので、そちらを調べていただくのが参考になると思いますが、概要だけは触れさせていただきます。
また、祝い花の贈り方に悩んだときに一番早い方法は『経験者に聞く』ですので、この記事を読んだ方は遠慮なく当方ツイッターアカウント(@tsurumau_yuki)までお尋ねください。
少しはお力になれると思います。
祝い花にはどんな種類があるの?
まず、祝い花とは、
『イベントの開催を祝うために、関係者やファンが出演者に向けて贈る花』
のことです。
祝い花は、企業や関係者が贈るイメージがありますが、主催者とファンとの信頼関係が築かれるなかで、『特別にご了解ををいただいて』贈ることができる、そういった、大切な贈り物になっています。
運営会社の方や会場のスタッフの方が様々な調整を重ね、設置する場所を確保していただいて、初めて設置が可能になるものです。
なので、私が言うことではありませんが、特別に設置させていただいているという基本を大前提に、お花を贈っていただけましたら幸いです。
さて、祝い花には、大きく分けて「フラワースタンド(フラスタ)」と「楽屋花」があります。
以下で紹介します。
フラワースタンド
イベントのロビーや会場外に飾られている、背の高いスタンドに飾り付けられた花です。
「フラスタ」と略されることが多いです。
フラスタはかなり高額になるため、企画を立ち上げ、参加者を募ってお贈りするケースがとても多いです。
現在は、お花だけではなく、バルーンやリボン、イラストなどで彩られたスタンドが中心となっています。
<おおむねのサイズ>
スタンドの台座が40cm×40cm以内、高さが180cm以内、といったものがスタンダード
<値段のめやす>
- お花屋さんにおまかせ:2万円~
- 色指定(青以外):3万円~
- 色指定(青色):5万円~
- 凝ったデザイン:5万円~
※この記事では全般にわたり『めやす』として値段を記載していますが、あくまで大まかなものであり、デザインやお店によって大幅に異なること、ご承知おきください。
[豆知識]
青い色の花は自然界でも稀少なため、お値段が跳ね上がります。
(青い薔薇はふつうの薔薇に比べて値段が倍)
なお、メリットとデメリットはこんな感じです。
<メリット>
- サイズが大きく、絶大なインパクトがある
- イベントの参加者が見ることができる位置に飾られるため、イベントの要素の一つとして印象に残りやすい
<デメリット>
- イベントの出演者は、進行上の関係等で直接見ることができないことのほうが多い
- 高い
- イラストを入れたり、デザインを凝ったり、企画にして参加者が多かった場合、調整に手間がかかる
- フラワースタンドは回収が基本のため、遅い時間にスタンドの回収が可能なお花屋さんに依頼する必要がある
フラスタはとにかく華やかで見栄えも良く、思いが多くのファンにも伝わります。
ただ、その分かかるお金や手間が多い代物でもあります。
(なお、あまりこだわらなかったり、コツを掴めば楽にはなります)
楽屋花
イベント出演者の楽屋に飾られる、卓上のアレンジメント花です。
なので「卓上アレンジメント花」と呼ぶのが正しいのかもしれません。
慣れていないお花屋さんだと分からないかもしれませんので、その際は『イベントの楽屋に飾る卓上におけるアレンジメント花』とお伝えください。
個人で贈る人が多いですが、連名で贈る人や、参加者を募って楽屋花をお贈りするケースもあります。
<おおむねのサイズ>
サイズが規定されている場合と、規定されていない場合があります。
いずれにしても、卓上に置くことができ、楽屋のスペースをあまり圧迫しないものが望ましいです。
<値段のめやす>
- シンプルなもの:3千円程度
(お花だけなら3千円で十分なことが多い) - 凝ったデザイン:~1万円程度
- 特殊なもの:1万円~
なお、メリットとデメリットはこんな感じです。
<メリット>
- 出演者に、最も近い位置(楽屋)で楽しんでもらえる(目にしないことがない)
- フラスタに比べて安価
- こだわらなければ直前でも贈れる
- 花の回収は基本不要
<デメリット>
- 贈った側は直接見ることができない
(お花屋さんに納品前の写真をお願いできることもある) - 運営の都合で、説明なくロビーに飾られることもある
- こだわったときに手間がかかるのはフラスタと同様
フラスタにはないメリットもあり、何より安価で手間もそこまでかからない。
なので初めての方には、まず楽屋花をおすすめしています。
楽屋花を贈るには?
1 まず、祝い花のレギュレーション(ルール)を確認しましょう!
最近のイベントでは、祝い花を贈る人に向けて、『祝い花について』などの、祝い花を贈る際のルールがホームページ等に掲載されていることが多いです。
そこで、次の内容を確認しましょう。
- 搬入日時
イベントの準備等に影響がないよう、祝い花には受付時間が定められています。
基本的に納品はお花屋さんがしてくれますが、必ずこの時間に納品、または郵送で届くよう、時間を守りましょう。
- 搬入場所(住所)
搬入先の住所はイベントの会場になりますが、『宛名はこれで』など、運営側から指定があるケースがあります。
文章で明記されていますので、必ずお花屋さんに伝えましょう。
- 大きさ(サイズ)
設置に支障が出ないように、祝い花には大きさの制限が設けられていることが多いです。こちらも必ずお花屋さんに伝えましょう。
<楽屋花について書いているのかよくわからない場合>
楽屋花にはあるあるの現象なのですが、漠然と『祝い花』と書かれていて、フラワースタンドのことなのか、楽屋花のことなのかよくわからないことがあります。
楽屋花であれば、基本
- お花の回収は不要
- 祝い花OKが出ていれば、楽屋花を断ることは考えづらい
(ロビー花になる可能性はある)
だと思いますが、違っていたりすると面倒ですので、念のため運営側に確認しましょう。
(下記『レギュレーションがない(公開されない)場合』を参考に)
また、悩んだ場合は、祝い花を贈った経験のある人にそのページを見てもらい、アドバイスをもらうのも手っ取り早いと思います。
<祝い花不可の場合>
残念ですが、お花以外で想いを届けましょう。
<レギュレーションがない(公開されない)場合>
お花のレギュレーションは、イベントページに後から追記として書かれることがけっこう多かったりします。
時間に余裕があるときはいいのですが、あまり時間がない場合は、運営にメールまたは電話番号が記載されている場合は電話で確認しましょう。
また、お花屋さんにはあらかじめ事情を話し、対応してもらえるようであれば準備だけ進めてもらう、などの方法もあります。
2 お花屋さんを探そう!
インターネット等で、会場近くのお花屋さんを探しましょう。
イベント用のフラワースタンドなどは独特なので対応してもらえないお店もあるかもしれませんが、楽屋花のアレンジメントであれば、対応してもらえるお花屋さんがほとんどだと思います。
まず最初は電話などで
『〇月〇日の〇時に、〇〇で行われるイベントで楽屋に贈る用のアレンジメントのお花をお願いできるお店を探しているのですが、こちらは対応していただけますか?』
という感じで聞いてみましょう!
なお、直前に急ぎで電話しなければならないこともありますので、電話でやりとりできるお店の方が安心です。
ちなみに私は、追いかけているコンテンツの影響もあって、地方の温泉地でのイベントににお花を贈ることもけっこうあるのですが、その場合は「その地域の観光協会」に電話でおすすめのお花屋さんを聞いたりすることもあります。
地域のことは、地元が一番よく知っていたりするものです。参考までに。
3 お花屋さんに相談し、予算とデザイン(色)を決めよう!
基本的に、お花屋さんは親身になって相談に乗ってくれます。
やりとりは、最初は電話がいいと思いますが、その後はメールの方がいいというお花屋さんもいますので、状況に応じて電話やメールでやりとりし、お花を造り上げていきましょう。
<予算>
まずは、どのくらいのお金が出せるかを考えましょう。
お店にもよりますが、楽屋花は3,000円程度が基本になってきます。
普通の楽屋花であれば、この値段で充分です。安すぎるということはありません。
少しボリュームを増したいなどの理由で、千円や2千円上乗せすることがあるくらいでしょうか。
青い花を使う場合は、5,000円程度を見積もる必要があります。
そして、ふつうのお花だけで造る楽屋花であれば、10,000円程度が上限だと個人的には考えています。
というのも、楽屋花は『楽屋に設置して、あまり邪魔にならないサイズの花』なので、金額を大きくすると、自然とお花のサイズも大きくなり、「楽屋に置くにはでかすぎない?」という代物になってしまいます。
何か目的があってお金をかけるのであればいいのですが、そうでなければ、この1万円が上限になると思います。
動物の形をかたどるなど、特殊なものにしたい場合はまた別ですが、その場合は特殊なお花が作れるお店にお願いすることになるでしょうし、逆にお花屋さんのほうから細かい説明があると思います。
<デザイン>
初めて送る場合は、『全部お花屋さんにお任せ』でいいかもしれません。
ちなみに、私の場合は、以下についてオーダーを出すことが多いです。
◆どのようなイベントで、誰に贈るのか
これ、意外と大事です。
お花屋さんもプロですので、イベントの詳細は分からないにしても、どんな目的の催しなのか、どういった印象の人に贈るのかというのは、お花を構成する上で参考にされます。
なので、実際にお花に反映されるかはともかくとして、
- イベントの概要
- 贈る相手が誰か(ホームページ等を示して)
- 贈る相手が演じるキャラクター(ホームページや画像等を示して)
は必ず情報として提供することにしています。
◆色
実は、青などの自然界に少ない色でなければ、値段は変わらず用意してもらえることが多いです。
「赤だけで構成してください」などのこだわりがあれば別ですが、例えば
「紫を基調として、白やピンクなどを入れてください」
などの注文であれば、あまり追加料金を求められたりはしないかと思います。
◆雰囲気
お花に持たせたい雰囲気もお伝えしています。
- おめでたい感じで赤と白で
- 元気が出るようなビタミン系で
- ファンシーな感じが伝わるパステル系で
などなど。
色と被るところはありますが、どんな雰囲気にしたいかはとても大切な要素です。
◆お花の種類
実は私はそんなに重視していないので、薔薇など特徴的な花以外は指定しないのですが、人によっては花言葉などをふまえて贈られる方もいらっしゃいます。
その場合はちょっと値段が上がるんでしょうか、そのあたりは想像の域を出ませんが、少し予算に余裕を持ったほうがよさそうです。
◆入れ物(容器)
入れ物も、鉢でいいのか、籠にするかなどは相談できると思いますので、是非お花屋さんと相談してみてください。
◆装飾
装飾の方法はいろいろあります。
例えばリボンをつけてもらったり、入れ物を布で包んでもらったり。
費用が発生するかどうかはお店次第ですが、何かやってほしい装飾があれば、お花屋さんに相談しましょう。
キャラクターのイラストを入れるなどの方法もありますが、初心者向けではないため、今回は触れません。
◆『最終的にはお花屋さんにバランスなどはお任せします』
私たちは、お花の専門家ではありません。
デザインやカラーコーディネートができる人はいるかもしれませんが、やはりお花について一番詳しいのは、お花屋さんなんですね。
なので、最終的にバランス等に困るケースがあったとしても、最終的にはお花屋さんの判断で作ってもらうことにしています。
<名札・パネル>
お花の次に大事かもしれません。
お花によく刺さっている、白い紙だったり、木製の札だったりするアレです。
贈る目的、贈る相手のお名前、そして贈る側の名前が書かれた札を作ってもらいます。
ふつうのお花屋さんであれば、追加料金なしで作ってもらえると思います。
必要なのは次の情報です。
- 一行目に書く「贈る目的」を表す一文
(例) 祝 〇〇〇〇〇〇〇〇(イベントのタイトル) ご出演
- 相手方の名前
(例) 〇〇 〇〇 様
(例)☆☆ ☆☆ 役 〇〇 〇〇 様
- 贈り主の名前
(例) 〇〇、〇〇、鶴舞雪 より
こちらは、色の指定や大きさや位置のバランスなどが指定できます。
字体などが指定できることもあり、お店によってはこちらが作成した電子データをもとに作成してくださるさるところもあります。
相談しながら、いい名札にしましょう。
<最初に確認しておくといい事務的なこと>
- 名札・パネルの内容はいつまで修正がきくか
状況の変化により、名札・パネルの内容を変更しなければならなくなることがあります。
たいていの場合、納品前日や発送日前日であれば対応してもらえると思います。
- 予算額はいつまでなら変更できるか
こちらの都合で、予算を増やしたりすることがあり、当初の予算から増えるケースもあります。
お花の注文の関係もあるので、納品1週間前+1日程度が目安になります。
- 代金の支払い方法
- お金の支払い期限
大事です。どのような方法で支払いが可能か、そしていつまでに支払いが必要かを確認しておきましょう。
- パネルの内容の確認のために事前にパネルの写真を送ってほしい旨の連絡
パネルの内容については、こちらも、お花屋さん側も間違う可能性があります。
贈る前に、一度確認しておくのが理想です。
- 納品前に楽屋花の写真を撮って送ってもらえるか
事前に写真を撮ってもらえそうなお花屋さんは、納品時の楽屋花の写真をもらうようにお願いしておいてください。
4 お金を払おう!
忘れずにお支払いしましょう。
5 当日!
・・・といっても、当日、私たちにできることは何もありません。
事前に写真を撮ってもらえそうなお花屋さんは、納品時の楽屋花の写真をもらうようにお願いしておいてください。
あとは届いて、相手に喜んでもらえていることを祈りましょう。
なお、楽屋に置く場所がないなどの理由で、ロビーに設置されることもあります。
その場合も、ご厚意で置いていただいているわけですので、そのご厚意をありがたく受け取りましょう。
Epilogue 贈ったその先にあるもの
楽屋花については、これでおしまいです。
相手に届いて、少なくとも目にはしてもらって、おしまいのはずなんです。
・・・ただ。
人によっては。状況によっては。
お花が贈られたことについて、感謝の言葉とともに、ファンに伝えてくださる方がいます。
これは、本来であればありえないことです。
稀有なことという意味でも、その心遣いとしても、『有難い』ことなんです。
その有難さを噛みしめ、引き続き、応援していきましょう。
長文になりましたが、この記事を読んで、一人でも「祝い花、贈ってみようかな」と思って贈ってくださる人が増えたら幸いです。
祝い花につきまして、お困りごと、お悩みごと、「これって違うんじゃない?」などのご意見がありましたら、ぜひお寄せください。