つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

歌詞における「涙」の表現

歌の中で、「涙」を、その言葉自体を使わずにいかに表現するかって、作詞の醍醐味とか、腕の見せ所なのではないかなと、勝手に思っています。
涙を他の言い回しで例えた曲は沢山あると思うのですが、今日は私が思いつきやすかったところから、2曲ほど紹介してみます。

 

「瞳の中のシリウス」 
 ―アイドルマスター ミリオンライブ!四条貴音(CV:原由実)、高坂海美(CV:上田麗奈)、徳川まつり(CV:諏訪彩花)、宮尾美也(CV:桐谷蝶々))

溢れる 溢れる 瞳のシリウスが煌めいて
潤す 潤す 夜空に瞬いて
ほどける ほどける 心が羽ばたいた流れ星
受け止めるよ だからもう大丈夫

 

零れる 零れる 瞳のシリウスが揺らめいて
震える 震える 夜空に瞬いた
綺麗な 綺麗な 心が満ちていく星空で
夢も満ちる だからもう大丈夫

瞳からあふれるものはなにか。
瞳からこぼれるものはなにか。 
瞳を潤すものはなにか。

ミリオンライブが誇る、珠玉のバラード曲。

瞳の中にあるそれを”シリウス”と見立てて、流れ星にみたてて、流す。
本当に綺麗な比喩だなあと思います。

なお、もしかするとどこかで言及があるのかもしれませんが、この部分が本当に涙、落涙を比喩しているのかはわかりません。
ただ、それがこの歌からうかがいとれて、自分としてはそう解釈しています。

瞳の中のシリウスは、歌の組み立ても歌唱も丁寧で綺麗なのですが、こういった要素も含めて、大好きな曲です。

www.youtube.com

 

そして、もう一曲。

「Song for」 
 ―雨宮天

星に紛れて“雨粒”落ちた
雲ひとつない夜空から

Song forは、雨宮天の7thシングル「Defiance」のカップリングとして収録されている曲です。
Defiance自体がタイアップ曲ではないため、あまり有名ではないかもしれません。
ただ、その前向きさから、元気をくれるビタミン系ソングとして、ファンの間でもとても人気のある一曲になっています。

 この曲は、この出だしから始めます。
非常に元気たっぷりに始まるので全然気づかないのですが、雲一つ無い夜空から雨粒が落ちるわけがないんですよね。
しかも、この雨粒はダブルクォーテーションで囲まれて強調されている。
ということは、この雨粒とはつまり・・・

ちなみに、この曲は泣くことがテーマだと隠しているわけではなく。
この後、ふつうに「涙」という最後が何回も出てきます。

 最後には『涙ながしたっていいんだよ』と歌ってくれる、本当に救われる歌です。

 

なお、Song forには、「1番から2番になるにつれて本音が少しずつ明かせるようになっていく」というギミックと、もう一つ画期的?なサビの演出があるので、気になった方はぜひ歌を聞いて、歌詞を見てほしいなと思います。

www.sonymusic.co.jp

 

今回はこの2曲を紹介しましたが、双方とも、「涙」や「泣くこと」をテーマとした曲とははっきりとは言われていないと思います。
シリウスのほうはなんとなくその印象を持っている人も多いかと思いますが、Song forはおそらく「元気が出る曲」という認識で、その部分はあまり考えられてもいないような気がします。
あくまで勝手にそう感じていることで、捉え方は人それぞれです。
ただ、自分はそう考えて、すごいなあと思ったので、ちょっと取り上げてみました。

 他にも、きっとそういう曲があったはずなので、またの機会に少し振り返ってみようと思います。