つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

声優さんと結婚とファン心理

こんな時期なので、こんな内容を。


声優さんは役者であってアイドルではないのですが、いまや俳優やスポーツ選手など華々しい世界のみならず、政治家や経営者、棋士などボードゲームの世界など、表に出る立場ならアイドル的な人気を誇る人がいらっしゃるという世の中。
ましてや、可愛らしいキャラクターを演じ、ストーリーの中で恋愛模様も描かれ、近年ではアイドルコンテンツの勢いが強い声優さんには、よりファンが付きやすい状況であると言えそうです。

 これ、よく勘違いされるところですが、声優さんの結婚でファンが落ち込むのは、その大半が自分が結婚できなかったからではありません。
また、自分が当事者になってみないとどういった反応になるかわからないというのが正直なところです。

 

まずひとつめ。

そもそも、ファンは自分が応援している相手と結婚できるとは思ってません。
もし本気で思ってる人がいるなら、”今すぐ同じ業界に飛び込んで!”とアドバイスをおくりたいくらいです。
そのくらい、住む世界が違う人の話だと、私は思っています。

もちろん、好きですよ。
好きなんですけど、好きと実際に結婚するは違う。
だから、そのあたりをまぜこぜに考えてしまうことは時にあるけど、『結婚できなかった・・・』という話ではないのです。

表に出て活動をしていると、人は大なり小なり仮面を被ります。
それはある意味、自分自身にブランドを付けることであり、セルフプロデュースの一環でもあります。
本当の素の自分と、そとで芸能人としてみられている自分に、きっと乖離がある。

なので、結婚という現実を突きつけられると、その乖離があらわになってしまうんですよね。
ファンは、熱心であればあるほど、その人がどのような振る舞いを積み重ねて今に至っているかを、一挙守一投足まで注視しています。
その人が
「私全然モテないんですよ」
「彼氏なんていたことがない」
「ファンのみんなが恋人」
的なことを言っていたとすると、それが一気にうそになってしまう。

うそをつかれて信頼が失われるって、どこにでもありふれてる話ですよね。
好き嫌いの話だけじゃなくて、仕事にだってあるもの。
だから、もしそこに怒りのような感情が生まれたとすれば、それはきっと色恋沙汰の話ではないのです。
信頼関係の話なのです。 

また、表立って言っている人ってそんなに見かけないのですが、私がとても重要に思っていること。
私たちファンって、ことある毎に、ある種軽率に「大好きです!」と言っている気がします。
結婚して伴侶がいる方に、それを言えるかどうかって問題があるんですよね。

『大ファンです』とは、言えると思うのです。
ただ、結婚したら、それが心情的に言えなくなる、言いにくくなるというのはあります。
『ファンを頼ってください』的なことも言えないですよね。
頼るべきはファンじゃなくて、きっと、すぐ隣にいる人だから。

 
ふたつめ。

結婚報告で、荒れるファンの方がいます。
大前提として、そのことについて誹謗中傷で個人攻撃をしてしまうのはだめです。
物に当たったりして、グッズを丁寧に扱わないのも論外です。

ただ、結婚報告はその当事者になってみないとその時の感情が分からないんです。
感情を処理しきれなくなってお気持ち表明するのは、そういった度を超した所まで及ばなければ、ある意味当然のことだと思います。
その思いを押し込めていたとすれば、それは本心ではないし、いいことではない。

だから、最近の「祝福しないファンはファンじゃない」的な、祝福することを強いられるような雰囲気って、個人的にはあんまり好きじゃありません。
当然なんですよ、好きな人が結婚してショック受けるのは。
感情がある、血の通った人間なんですから。

 
この二つは、ファン心理として当たり前なんだよ、ということは知ってもらいたいなあ、と思って書いてみました。

 

 ここからは余談です。

 よく、「結婚しても応援できるか」という話を聞いたり、見かけたりします。
”役者として”という部分では、応援できるんだと思います。
もし、人としてファンだった場合。
これはあくまで自分の経験からですが、あるときに、ターニングポイントが来ます。

そもそも、既婚しているのに人として好きというのは、ゆがんでいるような感じがあるんですよ。
それは人から見てどうかではなく、自分の中である種自覚している歪みがあって、それでもその感情が続いているということ。
どこか、無理しているんです。

どうしても、既婚という事実が襲ってくる。
伴侶がいるということで、どうしても自分の感情の中に抑えなきゃいけない部分が出てくる。
だから、騙し騙し、ごまかしごまかしなんですよね。
それがいつまで続けられるか。

死ぬまで一生続けられたら、もしかすると幸せなのかもしれません。
でも、人は変わります。
自分も変わるし、他人ももちろん変わる。
変わり続けるものにずっと同じ意味や感情を持ち続けるのは、辛いです。

その時が来たかどうかの判断は、自分自身でないとできません。
悩むことにはなると思いますが、そこに至るまで好きだったという事実は事実ですし、エネルギーをたくさんもらっていたはずです。
好きだったものが、離れるときに大嫌いになるのは、あまりにも哀しい。


「いままでありがとうございました」と、円満に、次のステージに移れることが、理想ですね。