ナナシスにハマりはじめた頃。
実のところ、4Uというユニットは、そこまで注視しているユニットではありませんでした。
あの当時でも、様々なコンテンツにおいて『可愛い女の子によるロックバンド』って飽和状態で、4Uも”それに近いユニット”というイメージで。
また、ライブなどでも”賑やかし”やコミックリリーフを担うことが多く、音楽性を評価するというよりは『盛り上げに長けたユニット』という感じだったんですよね。
ナナシスで好きなユニットは?と聞くと、4Uに至るまでにいくつか別にユニットの名前が上がる、そんな感じ。
その潮目が私の中で変わりはじめたのは、1stミニアルバムの『The Present "4U"』が発表された頃でしょうか。
ミニアルバムといえども、収録されている新譜はなんと6曲。
3rdライブで4Uの単独公演が決まり、当時は曲数が少なかった4Uにワンマンライブができるだけの曲を与える位置付けのアルバムでもありました。
4Uの曲の魅力は、実は歌詞です。
いや、大文字の太字で書くどころか、ナナシスみんなそうじゃんって感じではあるんですけども。
4Uって、あれだけキャラが立っていて、コミカルでわちゃわちゃしているのに、じつは音楽に関してはとにかく”ストレート”で”王道”なんですよね。
メロディにはそこまで奇を衒っていない。
だから、音楽としては優れていても、それでは優等生なだけで傑出しない。
そこで、歌詞のよさが光ります。
歌われるのは彼女達の等身大の”気付き”であり、等身大の心の内なんです。
二足飛び三足飛びの遙か高みを目指すでもなく、闇を切り裂くでもなく、エールを送り続けるわけでもなく。
彼女達は、あくまでも自分たちがやりたいことを、自らのパッションに載せて、力いっぱい等身大に披露した。
それは、「Lucky☆Lucky」でも
等身大の自分でいれたなら
大好きがわかるでしょ?
借り物のHappyはいらない
と歌われているように。
だから、彼女達は自分がやりたいことをやる。
やりたいことはやらない。
だから、とんでもない上には行かないし、闇は切り裂かないし、誰かの応援に徹したりはしない。
でも、それは自然と高みを目指すことになり、誰かの不安を切り払い、無意識に誰かを応援する、そんな曲になっているんです。
それが4Uなんです。
4Uで歌詞が一番炸裂しているなあと思うのが、「プレゼント・フォー・ユー」です。
長くなるので一節の引用だけ書きますが、
「ありがとう」とか「おめでとう」じゃ
伝え切れない感謝の気持ちは
大切な人へ届けなきゃダメなんだ
このフレーズは、ずっと大事にしています。
この詞を書いたカナボシ☆ツクモさん、本当にすげえや・・・と思っています。
あと、このラスサビを会場の支配人に歌わせた4thライブの演出は鬼畜。
泣き崩れてしまう・・・
コンペイトウの空が今日もまた綺麗だわ
最初はそこまで意識しなかったユニット。
でも、今やナナシスを語るに絶対に外せない。
歌は、作者や出自を離れても、歌い継がれていくことで『ぼくの歌』『わたしの歌』になっていき、永遠に生き続ける、と言われたりします。
ナナシスというコンテンツがどうなるのか、今はわかりません。
ストーリーが完結した今、物語も大きく変わることはない。
でも、ナナシスの楽曲って、忘れてしまう未来が全然見えないんですよね。
絶対に残り続けるし、きっと全然色褪せていってくれないような気がします。
そんな、永遠を生きる、ぼくらの歌、私たちの歌。
遅れてきた青い春に、語り継がれていく青空に、感謝を。
これが私の、「プレゼント・フォー・ユー」です。