つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

本当の音~AZUSA TADOKORO LIVE 2021「Waver」を見て~

田所あずささんの配信ライブ「Waver」を見ました。

配信があるとも知らず、たまたまTwitterで知ったこともあり、ちゃんと見ることができたのは、最後のほうだけで。
MCで、『やりたいことと求められていることは違うとか言われたりする中で、苦悩しながらも新しいセルフプロデュースアルバムを作り上げられた』というお話をされていて。
それが心に響いて、遅ればせながら、最初からライブを見させていただきました。


自分の人生ですから、誰もが、自分がやりたいことをやればいいんです、ホントはね。
ただ、人は人と関わりながら生きていく生き物ですから、”完全に自由”なことなんか、できなくて。

例えば、私のこのブログは『Twitterの140字で書けない本音を綴る』という目的でできた発信媒体です。
でも、文字数をたくさん書けるから本音も書けるかというと、それは違って。
見てくれた近しい人が不快に思うかもしれない。
今いる場所からはじき出されてしまうかもしれない。
意図しない拡散がされてしまうかもしれない。
そんな思いも逡巡して、最初の目的は達成できていなかったりします。

プロでもない、縛りがあるはずもない、どこにでもいるごく普通の(※一般男性ではない)オタクですら、こうなんです。
本職の表現者の大変さはうかがい知ることすらできませんが、”とんでもなく大変だ”ということだけは、わかります。


実は、気になって、アルバム「Waver」は、少しだけ聞いていたんです。

私のころあずの印象は、「運命ジレンマ」です。
その曲が刺さって、ライブにも行きましたし、あの”タドコロック”が真骨頂だと思っていた。
その後、”遅まきのプロデューサーデビュー”を経て、最上静香としての歌唱も知った。
やっぱり方向性としては、その延長線上にある認識でした。

ただ、セルフプロデュースアルバム「Waver」の話を耳にして。
方向性がガラッと変わった曲だよということで聞いてみて、その世界観もいいなあと思ったんですよね。

www.youtube.com


音楽を聴くのは好きですけど、「この曲はこういうジャンルで」「この曲はこういう技術的なよさがあって」みたいな説明はできません。
ただ、Waverの楽曲には、田所あずさというその人が注ぎ込まれているというのは、わかって。
文章や言葉じゃ伝えられないものも、音楽で伝えることができる。

言葉にできない本音は、音楽に乗せて伝えてやる。

今日のライブは、まさにそれだったと思います。


不意打ちだったかもしれない。
でも、『配信ライブを見た感じ』が、全然しません。
現地ライブか、配信じゃねえんだな。
そこにどんな魂があるかなんだな、と改めて思いました。

やりたいことと求めていることは違う。
「求めていること」を相手に投げたこともある身としては、耳が痛い話です。
でも、そうなんですよね。
素質は優れているはずの新人野球選手が、コーチの指導を聞き過ぎて、自分の良さを殺してしまって大成せずに引退してしまうとか。
ままある話です。

なので、これは表現者じゃなくてもそうですが、すべてYESという必要はないんです。
ましてや、高みを目指して表現を追求していっている人であれば、その姿勢を見せるだけで、ファンはついてくると思う。

ファンが求めるだけの100%の存在になんて、ならなくていいですよね。
自分も相手もその”直接でないやりとり”を通じて成長して互いに高みに進めればいいし、その活動で多くの人に元気が届けられれば、それでいいんじゃないかな、と思います。

考え方は人それぞれですが、私はそういう考えです。

 

”本当の音”を、勇気を持って発信したころあずに、静かな拍手を送りたいなと思いました。
いつか、本当の意味での”本当の音”を、会場で聞きたいですね。

 

 


P.S.

実は、今日はころあずのライブがなくても、『本当の音』という内容で書くつもりだったんです。
ただ、そこに飛び込んできた『Waver』の熱にあてられてしまったのと、この話を書くにした方がわかりやすいかな、と思ってこのような内容になりました。