つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

イベントとの距離感

シフトで働くことになった関係で、イベント参加について少し離れた位置から考える感じになりました。
いや、こちらの生活はまだわからないことだらけですけれどもね。

 コロナを経て、イベントについての捉え方って、大きく変わったなあと感じます。
主催する側だけではなく、参加する側の私たちの捉え方も。 

まず、これがいい考え方かどうかは別として、『ファンならイベントに参加しよう』という考え方って、コロナ前はあったと思うのです。
ある意味では、それがひとつの正義、メジャーな考え方でした。
だから、全通している人が「すごい」と言われたりして、ファン側のアイデンティティになっていたりもしました。
それは、非常にわかりやすい結果でありながら、ややもすると取り残されてしまう不安もあったりして。
色々な部分を切り詰めながら息切れしていた人も少なからずいたのかな、と思います。

ただ、今の時代になって。
イベントに行くことが、必ずしも正義ではなくなってしまったんですよね。
『この状況の中でもイベントをやるのであれば行くのが道理』という声もあれば、
『いろいろな面を考慮して”行かない”という選択を取る』ことも道理。
どちらが正しいとは、言えない。

 

それに呼応するようにして、そのイベントの感想でにぎわうことが減りました。
そう、参加した人が、あまり感想を公開しないようになったんです。
これはある種ありえた流れで、職場の人なんかとSNSでつながっていたりする場合って、あまりイベントに参加したことを表に出せないもの。
また、身近に『参加しない』という選択肢を取った人がいれば、嫌味に聞こえてしまうかもしれないから、発言には気を付ける感じになったりもする。
そうなると、大々的に感想を書けない、といった感情が生まれるのも不思議ではありません。

 

また、別の切り口として、露出度という観点も。
・・・衣装の話じゃないですよ?

これも人やコンテンツによるのだと思いますが、コロナ後に目にする機会が増えた人って、意外と多くて。
例えば、コロナを機に、SNSをやっていなかった人がやるようになったりですね。
イベントができないから、オンラインでの活動が増えたり。
そして、それがアーカイブ化されて、日常的に見ることができるようになったり。

あまりよくない話ですけれども事実として、いつもはイベントで会えていた(目にしていた)人って、『いつも見ているから』という理由で、ややもするとネットとか作品のお仕事とかはスルーしがちだったところが、あったじゃないですか。
それが、イベントがないからこそ、その人が関わっている作品を注目するようになった、という私たちファン側の心理もだいぶ変わった気がしていて。

生身で見る機会は減ったものの、ネットを通じて見かける機会を加味してみると、意外と『増えてる…?』という人、結構いると思うのです。

そうなると、その人に対しての”レア度”が下がっていくところはどうしてもあって。
結果、イベントに行くという選択肢が数多くの選択肢のうちの一つになり、そこまで優先する部分ではなくなってしまうこともあるのかな、と思いました。

 

今週は、もし自分に余裕があってチケットが取れそうなイベントがあれば、行くのもアリかな、と思っていたんですよ。
ただ、色々調べていたら、”一般チケットが余っている”というイベントがあって。
え?たしか人気のイベントだったんじゃなかったっけ、と思ったら、

募集をかけていた時期がちょうど”緊急事態宣言が発出されていた時期で、それがあけたから座席100%でやることになって、残りの半分を一般で売り出した

ということがわかりました。
そら、よっぽどの大人気イベントでなければ、2日足らずで500席埋めるのは至難の業ですよね・・・

しかも、これは私が行く予定のイベントでもあったことなのですが、50%でやる予定だったところを100%でやるので、隣に他のお客さんが入りますよ、みたいな状態になっていて。
なかなかカオスだな、と思ったりもしました。

これに加えて、また大阪や東京では『マンボウ』と呼ばれるなぞの制度が敷かれることになりまして、東京のほうでは
『ゴールデンウイーク中の旅行は延期』
マンボウ中は買い物以外は外に出ないで』
みたいな話になってきて、実質緊急事態宣言みたいな感じやんと、なんともモニョっとした感情でございます。
これを受けて、色々変更があるイベントも出てくるだろうなとは思います。
ただ、このあたりは、仕方ないことなんですよね、今の状況を考えると。

これらの対応がいい悪いということではなくて。
何が大事かというと、今って
『イベントを安定してできる状態とは言えないし、また安心してイベントに行ける状態では正直なところない』
んですよね。
開催する側も、参加する側も、色々な不安を抱えながら、微妙なバランスの上の平行棒を歩いているような感じ。
人によっては、薄氷の上とか、綱渡りのロープの上をなんとか渡っている感じの人も居るかもしれません。
そうやって、互いになんとか道を模索しながら、イベントって成立している状況なんだなあと、改めて思います。

だから、参加する人もどこかしらでリスクを取っている部分があるから大変だなとも思いますし、反面、参加しないという選択肢をとっている人を嘲るような流れはできてほしくないなとも思います。

 

このあたりは、コロナがあったからこそ見えてきた部分であって。
もしかしたら、その前から似たような状況の人は、いたんだろうな、と思います。

また、元に近い状態でイベントなどが再開されていったときにも、今感じたことをできるだけ忘れないようにしたいな、と思いました。