『神は細部に宿る』ということわざがあります。
本当に素晴らしいものは、細かいところこそこだわっているんだよという例えで、本当にその通りだなと思わされることが多々あります。
例えば、ここ最近で一番私が泣かされているコンテンツ、「ウマ娘」。
ゲームがリリースされて、より明らかになったのが、
『ウマ娘のコンテンツが、史実を忠実に再現し、物語や設定に織り込んでいる』
ということ。
私自身は、競馬にほぼゆかりのない人生をこれまで送ってきましたが、どんなコンテンツでも、長年続いているものって歴史があるはずなんですよ。
そして、だいたいが”事実は小説より奇なり”で。
つくりものの物語より面白い、心を動かされるようなストーリーがそこにはあったりするんです。
ウマ娘は、"単に競走馬を擬人化して女の子にしただけ"と言われていましたが、今の成果物を見ると、作っている人は逆に擬人化するというところよりも、史実をいかにコンテンツに綿密に入れていくかを相当注力したのではないかと思います。
だって、本当に驚くことに、ウマ娘に出てくる競争馬の史実を知ったりするだけで、こみあげてくるものがあったりするんですもの。
ここに描かれているのは、もはやゲームではない。
生きざまだ。
2018年にゲームが出ていたのでは、おそらくここまで大きなムーブメントではなかったでしょう。
「延期してクオリティを上げる」は、実際にはありえない”絵に描いた餅”なのですから。
ただ、延期することで、設定も、物語も、演出もさらにグレードアップして、”ぎったぎたに煮込んだ拘りの塊”みたいな作品が生まれた。
そして、プレイヤーはうすっぺらいものではなく、掘れば掘るほど楽しいものを求めていた。
だから、今のこの状況なんです。
リリースから3か月くらいが経って、ゲーム自体に大きな動きってじつはないのですが、これだけ多くのゲームプレイヤーが集まると、賑わいになってくるもので。
「ウマ娘は知らなかったけど競馬好きの人」とかが、これまでのアニメ、中の人、ゲームのファンでは気付かなかったところを見つけて、新たな感動をもらったりもするのが、いい流れだなあと思いますし、うれしくもあります。