つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

「温泉むすめトークイベントin飯坂 vol.2」感想

福島県飯坂温泉で行われた、地域活性クロスメディアプロジェクト「温泉むすめ」のイベント、「温泉むすめトークイベントin飯坂 vol.2」に参加してきました。
飯坂温泉でのイベントは、2019年9月14日の第1回に続き、2回目となります。

f:id:tsurumau_yuki:20210919195934j:plain

温泉むすめは、全国の温泉地をキャラクターにして、様々なメディアを活用しながら、日本の温泉地のよさを日本中、世界中に発信していこうというプロジェクトです。
ようは『キャラクターの力で温泉地を盛り上げよう!』という企画なのですが・・・
まさに時代はコロナ禍。
「他の地域からファンを呼び込む」という、今なお自粛が求められる地域移動を伴う部分や、地域活性化を目的としているため、どうしても自治体や観光協会などの公共性の高い(お役所そのものやお役所に近い)団体が関わりがちなところもあって、イベントを開催するのが最もやりづらいコンテンツの一つだったんですね。

ただ、それを飯坂温泉はやろうとしたんです。

f:id:tsurumau_yuki:20210919195606j:plain f:id:tsurumau_yuki:20210919195654j:plain

福島県福島市にある飯坂温泉は、動き始めこそ遅かったものの、あれよあれよという間に全国の先進的な温泉地の活動を勢いと物量で凌駕していき、今では
最も地域に温泉むすめが根付いている温泉
となっている、そんな温泉地です。
飯坂温泉事態の熱のこもった動きに加え、運営側も『コロナ後にリスタートするならここだろう』と考えて、コロナ対策を徹底したうえで今回のイベントが予定されました。
普段は50%で設定される会場の座席使用率は、なんと20%。
1940人入る会場に300人しかいない状態でイベントが開催されることになりました。

私も飯坂まで移動することを踏まえ、しっかりワクチン接種を2回すませ、2週間を開けて免疫に問題ない時期であることを踏まえて、現地に行かせていただきました。

f:id:tsurumau_yuki:20210919195746j:plain f:id:tsurumau_yuki:20210919193222j:plain

f:id:tsurumau_yuki:20210919193817j:plain f:id:tsurumau_yuki:20210919195516j:plain

コロナについては逆風も吹いたものの、ここで更に襲ってきたのが台風。
日本の西に停滞していた台風14号は、進路が迷走しすぎて、直前になるまでその影響が読めませんでした。
それでも、飯坂の方々はあきらめず、地道に準備を進めました。

私も台風が心配だったので、前乗り(前泊)させていただきました。
お花を企画していたこともあって、イベントが開催されるけど自分はそこにいないという状態にはしたくなくて。
これが功を奏して、運よく空いていた旅館さんに前乗りすることができ、水を得た魚のように朝に晩にと温泉に入り浸りました。

f:id:tsurumau_yuki:20210919192958j:plain f:id:tsurumau_yuki:20210919192409j:plain

 

そして、イベントの朝。
温泉むすめは、根強いコンテンツではありますが、何かにごった返すほどの状態になるものではありません。
むしろ、コンテンツ自体がその地域の理解を得られていなければ成立しないので、比較的マナーが良い、よすぎるくらいのコンテンツです。
なので、そこには、いつもより少し距離を開けながらも、1年半前くらいまでにごく普通に行われていた、温泉むすめのイベントの姿がありました。

イベント物販では、なぜか当日開催された射的が人気で、他の物販などを抑えて大人気コーナーとなっていました。
この射的をはじめ、イベントの運営には地域の大学である福島学院大学の学生さんが大活躍していました。
こういったところも、地域に活動が根付いている飯坂らしさですね。

 

 

今回も、温泉むすめのファンの皆さん(ぽか旦那、ぽか女将といいます)の有志で、フラワースタンドと楽屋花を贈らせていただきました。
2年前の1回目イベントでも送らせていただいたのですが、今回の規模としてはなんと2倍以上。
昨今、コロナの影響で、イベントで祝い花をお贈りすることができないというのがスタンダードになっているのですが、今回は運営さんを通じて確認したところ、すぐにOKをいただけて、有難さをかみしめながら準備をさせていただきました。

こういった地方イベントの時は、フラスタの制作を地域のお花屋さんにお願いすることにしています。
今回も飯坂のお花屋さんであるくまき生生花店さんに作成をお願いしまして、会場に素晴らしいお花を咲かせていただきました。

f:id:tsurumau_yuki:20210919192600j:plain

今回、会場に入って感動したのが、フラワースタンドが等間隔にずらりと並んでいたこと。
フラワースタンドは、どうしても動くお金が大きいですし、開催されるかどうかも不透明な中、そんなに並ばないだろうなと思っていたんですよ。
私が「出します!」と言った後も他の企画が立ち上がったりもして、少しほっとしたのを覚えています。
更に、各温泉地からのフラワースタンドや、個人の方が出演される3人宛に出されたと思しきスタンドもあって、それがずらっと並んだ姿は、まさに壮観でした。
ここに並んだフラスタの、どこか1基が欠けてもこ感動にはならなかったような気さえする。
フラワースタンドに関わられたすべての皆様(ほかの企画に参加された方も含めて)、本当にお疲れさまでした、ありがとうございました。

f:id:tsurumau_yuki:20210919200117j:plain

なお、吉岡さんに関しては、それぞれのフラスタのあて名札にサインやメッセージを書いてくださっていました。
こちらも大変ありがたいことだと思っております。

f:id:tsurumau_yuki:20210919200046j:plain

 

さて、イベント本編。
イベントに登壇されたのは、飯坂温泉の温泉むすめ、飯坂真尋役の吉岡茉祐さん、群馬県草津温泉の温泉むすめ、草津結衣奈役の高田憂希さん、そして福島県いわき湯本温泉の温泉むすめ、いわきあろは役の大坪由佳さん。

いつもは場をバリバリ捌くイメージのある吉岡さんですが、この日は自分がメインということもあって、背負うものも感じ取れ、タジタジするなど可愛らしい一面も垣間見えました。

そして群馬からの刺客・・・というわけではないのですが、ゲストという立ち位置での参加となった高田さん。
客席に笑顔を振りまきながら、コーナーで自身の台詞が採用されるなどの活躍で、場を盛り上げていました。

そして、飯坂と同じ福島県の温泉を担当する大坪さん。
イベント内を終始器用に動き回り、名バイプレーヤーとして場を支える活躍をされていました。
客席への目配りも丁寧で、安心してイベントに参加できる土壌を作ってくれました。

f:id:tsurumau_yuki:20210919200021j:plain

「チョイナー!!」の掛け声(※ただし客席は声を出せない)で始まったイベントは、マさに”温泉むすめのイベント”だなあといった感じで、本当に懐かしさを感じました。
温むす特有のゆるくてほわっとした進行。
イベントの中で温泉地を緩く学んでいこうというスタイル。
温泉地を熱く盛り上げるという"理由をつけて”やりたいようにやるコーナー。
数年ぶりの”ゆけむ離脱”。
詳しい内容は明かせませんが(by吉岡さん)、『帰ってきたな』、という感じでした。

 

第2部の冒頭で、登壇されたキャストの皆様から、フラワースタンドと楽屋花について感謝のお言葉をいただきました。
「フラスタが並ぶと、『イベント、帰ってきたな』という感じがする」
このことについて、会場全体からあたたかな拍手をいただいたこと、忘れません。

 

1部と2部の日替わりならぬ”部替わり”コーナーは、1部が吉岡茉祐さん脚本のミニ朗読劇、2部が真尋ちゃん音頭の披露でした。

1部の朗読劇は、脚本家としても活躍する吉岡さんが構成。
見事に温むすのイベントらしい内容に仕上げていました。

2部の真尋ちゃん音頭は、振り付けを担当したダンスの先生を中心に、飯坂温泉のキャラクター、『ゆげお』も登壇しての会場全体でのダンス実践。
これがあるから、ソーシャルディスタンスを広くとった座席20%での開催だったんですね。
本番では、実際に吉岡さんが「真尋ちゃん音頭」を歌い、会場全体で振り付けを踊りました。
会場が一体となった瞬間でした。

f:id:tsurumau_yuki:20210919200115j:plain

 

2部最後の挨拶は、3人がそれぞれの立場で想いを語っていて、とても心に響きました。

「温泉むすめのイベントを毎回楽しみにしている」と話し始めた大坪由佳さん。
温泉地を盛り上げるぞ!と思って気合を入れてイベントに行くんだけれども、逆に現地の人から沢山もてなしてもらって、そしてぽか旦那・ぽか女将のみんなも来てくれて。
本当は私が元気を届けようと来たのに、逆に元気をもらって帰っていく。
そんなイベントなんだと、温泉むすめの特異性を語ってくれました。

 

コンテンツとしての温泉むすめのセンターでもある、高田憂希さん。
飯坂温泉に真尋ちゃんが溶け込んでいる様子に感銘を受けたことを感慨深く話しながら、自らが担当する温泉地だけでなく、全国の温泉地に元気を届けていきたいと話しました。
そして、『温泉むすめは本当に最高のプロジェクトだなって』、と。

ここで、プロジェクトという捉え方が出てくるとは思ってなくて、虚を突かれ、そして我に返ってますます涙腺が緩みました。
そうなんですよ、温泉むすめってコンテンツに留まらないんです、プロジェクトなんです。
母体があって、キャラクターがいて、それを演じる声優さんがいて、そして温泉地の皆さんや、地域の皆さんがいて。
そういった皆さんが一つの方向を向いたからこそ、コンテンツになるんです。
こんなに人が集まって元気を届けあえるんです。
高田さんの挨拶は、それを再認識させてくれました。

 

最後、吉岡茉祐さん。
6月に予定され、コロナの影響で中止となった温むす朗読劇に触れながら。
そのときも脚本を担当していて、そのリベンジを飯坂でやってみないかという話になり、今回のミニ朗読劇が誕生したとのこと。
そして、特にコロナ禍後は、自分の中で飯坂温泉と真尋ちゃんの存在がどんどん大きくなっていったそうです。

元を辿れば、吉岡さんは「東北を盛り上げる」ユニット”Wake Up,Girls!”として声優の活動をスタートされています。
東北の人の温かさを語りながら、飯坂温泉の熱量にも負けないように、飯坂も、東北も、できることは何でもやって盛り上げていきたいと、静かに、しかししっかりと話して、イベントを締めくくりました。

f:id:tsurumau_yuki:20210919195656j:plain

 

本当に、温かいイベントだったな、と思います。
ご時世柄、参加ができなかった人もいます。
来た人の中でも、様々な葛藤を抱えながら参加した人もいるでしょう。
それでも。
大事なのは、明るく、元気に、前向きに進むということ。
そんな、基本的かもしれないことですが、改めて頑張ろうと思いました。

 

このイベントを勇気をもって主催していただいた、飯坂温泉観光協会の皆様。
イベントの開催を見守ってくださった福島県福島市の皆様。
イベントに参加する私たちを温かくもてなしてくださった飯坂温泉の皆様。
イベントの後押しをしてくださった、エンバウンドはじめ運営の皆様。
飯坂に来てくださった、キャストの皆様。
登壇してくださったダンスの先生、そしてゆげお君。
イベント運営に尽力された福島学院大学はじめ学生の皆様。
会場前のキッチンカーで胃袋を満たしてくださったキッチンカーの皆様。
思い出になるお土産を用意してくださった物販の皆様。
素敵なお花を用意してくださったお花屋さんの皆様。
そして各種フラワースタンド・楽屋花企画を主催・ご参加された皆様。
飯坂イベントを同じ温泉地として支えてくださった各温泉地の皆様。
ルールを守ってイベントに参加されたぽか旦那、ぽか女将の皆様。
その他、関わってくださったすべての皆様に向けて。

おつかれさまでした。
そして、本当にありがとうございました!
飯坂の熱さに元気をもらって、またこれから頑張ります。

 

また来ます!!

f:id:tsurumau_yuki:20210919193531j:plain

 

 

 

 

f:id:tsurumau_yuki:20210919195906j:plain

著者近影(撮影:ろとさんさん(@RoTo33P))