つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

声優さんの顧客満足度

顧客満足度・・・といっても、「なんとか社のサポート評価」という話ではありません。
声優さんの顧客満足度のお話です。

私が初めて聞いたのは、2020年の10月に行われた、なおぼうこと東山奈央さんのインスタライブにて。
すみぺこと上坂すみれさんがライブの途中でゲスト出演して。
その際に言及されたのが、「(なおぼうが)顧客満足度を意識している」というお話でした。

 

顧客満足度
人気で成り立っている業界では、あまり使われないワードのような気がします。
その理由は、『どことなくビジネスライクな感じがしてしまうから』。

今は変わりましたけど、2000年代中盤までのネットって、そうだったんですよね。
当時は、”カオス”という言葉が飛び交っていたように、CGM、つまり”プロではないアマチュアの一般ユーザーが作品を作る”というのが主流でした。
平たく言うと「同人」がニュアンスとして近いですかね。
だから、何か面白い企画があっても、そこにビジネス的な要素が入っていたり企業がやっていることがわかった時点で、評価が一転したり、忌避されたりすることが多かったんです。

人気商売も、それに似ているところがあって。
「俺たちが応援してるんだから、ビジネスとは言ってくれるな」
みたいな声も未だにあって、故に『ビジネス』という観点がテーブルの上にはあまり置かれていなかったりするんですよね。

ただ、当たり前ですが、プロであれば、声優もビジネスです。
アイドルもそう。
アーティストだって、タレントだってそうなんです。
”若くてそつなくこなせて可愛ければいい”
それだけで渡っていけるほど、世の中って楽じゃなくて。

その意味で。
みんなうすうすとわかっていたけど信じたくない要素だとは思うんですけれど(太字にしておきます)。
なおぼうの「顧客満足度」という考え方って、ストンと落ちたんです。

 

本当にファンが求めているものは何か。

ファンは基本的に、直接的には甘言しか言いません。
甘い言葉しか言わないし、肯定しかしない。
いろいろな手段で理想を言おうとする人もいるけれども、それでも全否定からは入らない。
でも、それがファンなんです。
ファンであればあるほど、そうなると思う。

ただ、ファンが思う通りにやっていったら人気を維持することができるのか、もっと人気を上げることができるのか、といったら、違うんですよね。
これまでのことをやってきたから、今いるファンはついてきた。
ファンが宣伝することで、少しはファンが入ってくる。
同じようなことをやっていけば、短期的には人気が維持できるかもしれない。
でも、ファンは一定の割合で減っていく。

だから、みんな、新しいことに挑戦していくんです。
新しいことをやるにあたって、既存のファンから批判が出る構図は割と見かけるんですけど、それも当たり前で。
だって、既存のファン以外のところに、アプローチしているのですから。

この辺りが、なかなか難しいところで。
攻めに出るのか、守りに出るのか、そこで悩んでいる人は、めちゃんこ多いと思います。

 

そこで、汲み取り方なんですよ。
自分のファンがどのような活躍を望んでいて、それをどう実現していくか。
それを、冷静に分析して行動に移していくこと。
これが難しい、とても難しい。
これができている人はほんの一握りだと思う。

その手段にも色々あって、やはり大きいのは発信するツールの使い方なんだろうなと思います。
配信する番組であったり、ラジオであったり、SNSであったり。
『ファン思い』とされる人は、この辺の使い方が、やっぱり”ていねい”な気がする。

よくあるんですけど、「この事務所はSNSがNGだから」みたいな話って、聞くじゃないですか。
実際にそういう事務所もあります。

ただ、よくよく見てみると、その中でもSNSを立ち上げている人がいたりもする。
番組のツイッターや、他の人のアカウントを巧みに使って、「実質これSNS使ってるよね?」という人も居たりする。
様々なプロモーションや番組企画をうまく使って、擬似的なSNSにしている人もいる。
「ここは完全に一般人のアカウントですよ」という”ていで”、活動してる人も居たりしますよね。

そうなんです、ルールはあっても、抜け道ってたくさんあって。
これがいい言い方かどうかはわからないけど、やりようによっては全然規制されているわけではないんですよね。

考え方は色々あっていいと思いますし、メディア露出を徹底的に抑えることでブランド価値を高める方法もあったりします(かつての大黒摩季さんやバンプもそうでしたね)。
ただ、ファンとの近さの指標にもなる「コミュニケーションの使い方」という意味では、置かれている環境によっての難しさはあれど、できないことじゃないと思ったりもします。

 

というわけで、今夜東山奈央さんのインスタライブがあるということでしたので、こんな話も書いてみました。
なおぼうはすごいと思います、ホントにね。

多分冷静に考えてみれば、ファンのことを考える余裕がそこまでない人も多いはずで。
それでも気にかけていただいているというのは、本当に有り難いなと思いますし。
「『イエスマン』なファンになること」はいいこととは私は思えないんですけど。
ある種頼りになる・・・だと言い過ぎですね、「そういう人が居て少し助かった」みたいな、そんな感じの”人達”になれたらいいな、と思う今日このごろです。
個人どうこうではなく、「私のファンの皆さんは心強い」みたいな感じで思ってもらえたら、それが僥倖ですよね。