つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

二つの方向性のお話

ちょうど、二つの方向性のお話を聞きました。
ちゃんと書くと、”二人”、ですね。


一人は、とにかくがむしゃらに、できることを少しずつレベルをあげて、なりふり構わず大成してやる、という人のお話。
もう一人は、ある意味もう大成していて、その後どう在るかという、円熟期を迎えた人のお話。

やっぱり、これから成り上がっていくんだ、てっぺんを取るんだという物語は魅力的ですし、応援したくなるし、応援しがいがあります。
日本人は甲子園(高校野球)が好きだ、と言われたりしますが、まさにそんな感じで。
それで命が潰えるわけではないのだけれど、人生をかけた戦い的なものに魅力を感じて、ややもすると負けているほうを応援したくなる。
そんな精神は、確かにあると思います。

ただ、それが華となるのは、熱狂の中にいるときだけで。
そのなかで、”てっぺん”を取れるのは、ほんの一握りです。
そして、その”てっぺん”を取ったとしても、いつまでも”てっぺん”ではいられない。

そうなったときに、二つ目のお話が、とても魅力的に感じたんですよね。

ある意味、明るくないかもしれない。
現実的で面白みにかけるかもしれない。
でも、人生を20年とかじゃなくて、70年、80年と考えたときには、間違いなく大事な感覚で。
人生、アンダンテに駆け抜ける生き方もあるけど、長いスパンで、ラルゴに歩む生き様もある。

若い人なら、そんなのが魅力的なのかいと思うかもしれないですけど。
すこーしおっさんになったこの身には、それがわかるようになってきました。

 

若いうちに、その円熟期の話なんか頭にある人はごくわずかです。
むしろ考えない方がいい。
でも、そこまで見えている人は貴重で、もし見えているのだとしたら、その視点や感覚は何らかの形で持ち続けてほしいなと思います。