つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

パレイドからクラクトリトルプライドまで~夏川椎菜 Pre-2nd

あまりにも、大きなテーマすぎて。
書き始めるのが、ご本人の誕生日になってしまいました。

夏川さん、お誕生日おめでとうございます。

 

「Pre-2nd」の、7月16日・東京Zepp Hanedaの2公演に参加させていただきました。
1部は後方の2階席から、2部はアリーナの真ん中よりは少し前あたりから。
トラセ民でありながら、プロットポイントも417の日も経験していない私としては、1部でしっかり世界観を把握したうえで、2部でアリーナに立つことができたのはよかったです。

平たく言ってしまえば、アーティストとしても大成功のライブでしたし、ナンちゃん自身の魅力も発揮された、素晴らしいライブだったのは間違いありません。
ただ、それで終わってしまうのも、味気ないので。
ここからは、私と”夏川楽曲”の経験というか関わりを踏まえながら、振り返っていきたいと思います。

 

トラセの3人の中で、ソロ曲を聴き始めたのは、実はナンちゃんが最初でした。
そう、天ちゃんじゃないんです。
「パレイド」が、刺さりに刺さった。
当時のメモには、『YUIを感じた』と書いてあります。

そして、追撃として喰らったのが、「ファーストプロット」。
こんな歌詞、声優が書くのか。
言い方が悪いかもしれないですけど、専業作詞家の方だってなかなか出てくるレベルの曲じゃない。
夏川椎菜という才能と、努力のすさまじさを突きつけられた曲でした。

ただ、プロットポイントには恵まれず、その後に天ちゃんのソロを網羅し、次にもちょのソロも網羅し。
ふたりのソロライブは聴けましたが、ナンちゃんだけが、延び延びになっていました。

 

そして、延期に延期を重ね、友人と『チケットを手放そうか・・・』という寸前まで行きましたが、やっぱりナンちゃんのライブに行きたかった
数奇な運命を辿りながら、私はPre-2ndの地を踏むことになります。

 

「パレイド」
あまり、明るい歌ではありません。
できない自分に悩みながら、『誰かのためになら歩けるかな』と、その弱く淡い光を便りに歩んでいく、そんな曲になっています。
この曲を歌っているとき、CD音源になっているその時は、おそらく夏川さんもその心境だったのでしょう。

今回、『パレイドの印象が変わった』という感想をいくつか目にしました。
かつての夏川さんだったら、もっと絶望たっぷりに歌っていたかもしれない。
ただ、今の夏川さんは、決してご本人が言うような”クソザコナメクジ”ではないんですよね。
そこから何歩も進んだ『パレイド』が、ステージから放たれました。

パレイドって、行進だから、前に進んでいくんですよ。
だから、印象が変わっても、不思議じゃない。

 

「ファーストプロット」
私がナンちゃんの曲の中で一番好きな曲です。
こんなに綺麗に、始めから終わりがしっかり収まって、メッセージになっている曲なんて、めったにない。
この曲について語ろうとしたら、いくらでも語れるくらいの名曲です。

2019年の声優アーティストの楽曲としても、とても高く評価されました。
他のアーティストにカバーされるくらい。
たぶん、ナンちゃんも、スタッフ陣も、この曲がとんでもない名曲だという実感はあるんじゃないかと思います。
だから、このライブでも、とても丁寧に披露されました。

ただ、ファーストプロットって、最後の曲じゃなかったんですよね。

これだけすごい曲で、大切な曲で、たぶん最後に持ってきたらとんでもなく余韻が残る、そんなライブになるんじゃないかと思います。
でも、最後にしなかった。

ファーストプロットは、つまづきながらも前に進んでいく曲です。
心なしかあのZARDの名曲、「負けないで」のリフが少し入っている気もする。
現在進行形の曲なんですよね。

名曲だけど、そのハードルを乗り越えて、その先に進んでいく。

セトリに、そんな思いが読み取れました。

 

実際、1stアルバム「ログライン」の後にも、EP01で「キタイダイ」を入れ込んだり、「アンチテーゼ」を放ったりと、ナンちゃんは戦い続けてきました。
そして。

 

「クラクトリトルプライド」

もう呟いちゃってるのでセルフカバー(※二番煎じ)なんですけど、このツアーを象徴する曲はこの曲だと感じました。
そして、とにかくライブ映えする曲。
悩みながらも一歩ずつ進んできたナンちゃんが、『コロナ』という大状況にぶち当たって、アンチテーゼでクショがー!と吐き出しながら、それでもこの世の中を歌って前に進んでいこうと紡ぎ出した、一本の矢。

 パレイドでは誰かをよりどころにしようとしていた彼女が。
ファーストプロットではやっと自分の歌が歌えるようになったと言っていた彼女が。
期待してくれと言って。
叫んで。
どんな状況でも飛び込んで「最高」をもってくから「受け取って!」と。

これが、夏川椎菜なんだ、と。
今日無事に終わった大阪公演では「ヒヨコ群を幸せにする」というMCもあったそうですが、それも頷けます。

 

もちろん、ナンちゃんは才能があるし、努力もできる人だと思うのですが、ご自身で『クソザコナメクジ』と称してしまうマインドや性格もわかる。
それを身近だとか、向いている方向が似ているという言葉で現わしてしまうのもおこがましいのですが、共感を得られるというのは、一つ大きな特徴だと思うんですよね。

ナンちゃんがバンドメンバーや、Hanedaではヒヨコ群を労働者と言っていたので似たような概念でいいと思うのですが、それらを称して『ヒヨコ労働組合』って表現しているんですよね。
組合だから、そこに上下ってないんですよね。
そういう意識がナンちゃんにはあるんじゃないかなあと。
だから共感を呼ぶんじゃないかなあと、思ったりもしています。

 

なかなかまとまりませんでした。
他に書きたいことは山ほどあるのですが、このあたりでいったん締めさせていただきます。
とにかく言いたかったのは、素晴らしいライブでした!ということでした。

ここはまだ”Pre”。
ちゃんとした2ndも、その先も、楽しみにさせてください。