つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

パレイドとファーストプロットの狭間で

「パレイド」と「ファーストプロット」。
夏川椎菜さんの音楽活動での成長を象徴する曲としても考察される曲で、これに「クラクトリトルプライド」を加えて”夏川三部作”と考える人も多いと思います。
私は、この三部作の中ではパレイドとファーストプロットが好きで。
ファーストプロットは、夏川楽曲の中で最も好きな曲と言ってもいいくらいです。

この三部作は、とにかく歌詞がすごくて、ホント卓越した歌詞だと思います。
曲を知らない人でも、歌詞を見れば、そこに詰め込まれたとんでもない感情の一端を知ることができます。

ただ、今日書きたかったのは夏川さんの歌手活動についてではなくて。

 

私たち・・・というと主語が大きすぎるので、「私」としておきます。
私って、誉められたような、手放しで拍手されるような、輝かしい人生は送ってきていないんですよね。
当たり前ですけど。
失敗もたくさんしてきているし、ほんの少しの成功はあるかもしれないけれども、結果すごい人にはなっていない。
有名人でもない。
ごくふつうの、ただの人です。
人の平均があるとしたら、その平均よりたぶん下じゃないでしょうか。

そんなふうな人生だとですね。
「パレイド」にものすごく共感するんですよ。
できないことを悩んで、悔やんで、ほんの少しの光を期待する。
そんな、等身大の生き方に共感する。

そして、少しだけいい方向に行ったとき、「ファーストプロット」の夢を見るんです。
つまづきながらも、「誰かを元気づけるために歌を歌える」。
そんな夢を見ます。

でも、普通の人って、ずっとファーストプロットではいられないんですよ。
そこからクラクトリトルプライドに進める人って、ほとんどいなくて。
パレイドの心境に戻るんです。

パレイドと、ファーストプロットの間を。
行ったり来たり、来たり行ったり。
もしかすると、ずっとずっと、その繰り返しかもしれない。

何かがあるわけではありません。
どぎつい絶望を食らったり、明確な嫌なことがあったわけでもありません。
でも、少し気分が落ちていて、低調になっているとき。
「パレイド」が、ぶっ刺さるんです。
好きな曲は、むしろ「ファーストプロット」の方のはずなのに。
今の心境では、パレイドの方が、寄り添ってくれる。

前に進める人は、どんどん進めばいい。
進めない人の分だけ、どんどん進んでほしい。
でも、きっと、そうに離れない人がたくさんいる中で。
一番根源の、ストレートな不安を内省的に歌った曲が。
人を救っているのかもしれません。

 

 

この夜の孤独を越えるために、「パレイド」よ、寄り添ってくれ。