Honeyworksのプロジェクト「告白実行委員会」で、夏川椎菜さん演じるmona（成海萌奈）が歌う楽曲、「ファンサ」のお話しです。
個人的な話をすると、ステージからレスをもらったり、認知されたりというファンサ（ファンサービス）が、あまり得意ではありません。
うれしさはあるのですが、常にリスペクトし続けている存在なのでもはや棲む世界が違うと思っているので、ファンサ自体をもらっていいのか、みたいなジレンマがあって。
ファンサよりも実力で真価を発揮してほしいと考えていることもあり、『ファンサ』の詞を初めて聞いたときは、ある種のあざとさを感じてしまい、すぐには「これすき！」とはなりませんでした。
また、ファンサを初めて聞いた時は、ソロとしての夏川さんの曲をひと通り聞き込んで歌唱力を熟知した後だったので、ポップさに振った曲でもあるこの曲に、さらに濃い味付けを求めていたところもありました。
しかし、この曲、やたらと人気があって。
皆さんのオススメにまず上がるような曲ですし、色んなところでやたらめったらカバーされる。
Vtuberにも相当の勢いでカバーされる。
「『香水』か『夜に駆ける』か『ファンサ』か」くらいの勢いでカバーされていました。
そのため、聞く機会がけっこうあって、意識には残り続けていました。
で、ここからが本題なんですが。
ここまで再三『聞いた』と言っていたファンサ、実は本当に”聞いた”だけだったんですよ。
つまり『MVを見ていなかった』んです。
動画は再生していたものの、曲を聴いただけで画面は見ていなかった。
あくまでも音楽として消化していた。
ここで、何の気なしにMVをちゃんと見たことで、私の「ファンサ」に対しての印象が、がらりと変わります。
MVが、泣ける。
曲はあんなに明るさしかないのに。
暗い部分も暗くさせず、明るく笑い飛ばして歌っているのに。
MVでは、monaというアイドルが、『汗をかいている』『無茶な企画に挑戦している』『エゴサでアンチのコメントを見つける』『嫌がらせを受けている』という、影の部分、裏で努力している部分が描かれています。
敢えて目が描かれていない部分もある。
そこにで描かれたのは、アイドルの素の部分でした。
曲はあんなに、アイドルの曲なのに。
MVがなければ、単にアイドルの曲だと思っていた曲が、アイドルの内面を歌った曲に昇華されていました。
Honeyworksの『告白実行委員会』は、曲とムービーは合わさって一つの作品なんですね。
MVを見てこそ真価が発揮される曲でした。
だから、いつしかこの歌詞で泣くようになってしまった。
「次も 次も また会えるよね？」
「約束ー！」
