つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

Double the Capeでみた”進化した「コバルト」”

先日開催された『LAWSON presents TrySail Live 2021 “Double the Cape』で、”ハモリではないコバルトが歌唱された"ということが、少し話題になりました。

 

この「コバルト」という曲には、数奇な運命があって。
曲にあまりそぐわないコールが流行したことがあったそうで、結果イントロから始まる通常バージョンが演奏されず、”ハモり曲”としてしか披露されなくなった、という話が都市伝説的にささやかれていたりします。

個人的には、そんな理由でセトリや歌の在り方を変えることってあまりないと思っていて、偶然や本人たちの志向の話なんだろうなとは思っているのですが、まあとにかく”ハモりではないコバルト”は長らく披露されず。
今回、コロナで声出しができないことから、「久しぶりに”ハモりではないコバルト”が聞けるんじゃないか」と思っていた人も、多かったようです。

結果、”ハモりではないコバルト”は1日目に披露されて、話題になったわけですが。
個人的には、確かにそれは一つの話題だったけれども、コバルト、もっとすごいところなかった?という、たぶん多くの人も同じような感想を持っているんじゃないかという気付きがあったので、それを書いてみようと思います。

 

ライブでのコバルトを語る前に、少し私的な振り返りをさせてください。

私がTrySailの曲を初めて聞いたのは、2015年のこと。
断言はできませんが、たぶん最初に聞いた曲が、この「コバルト」だったと思います。
その時の私の感想は
声優ユニットの曲なのに、サビで下がるのがすごい』
他の声優アーティストとは何か違うという感覚と、愛嬌を振りまく感じがなく全体的にクールな印象を受けたことを覚えています。

ちなみにこれは『Classroom☆Crisis』に触れていたからこの曲を知ったところがあって、この時私は津田ちゃんが出ているから見ようと思ったという経緯があったりします。
巡り合わせとは数奇なものなり。

 

というわけで、トラセの楽曲をあまり知らなかった頃は、TrySail=コバルト みたいなイメージがありました。
特にadrenaline!!!が世に出るまでは、その印象がとても強かったように思います。

2017年のリスアニ(個人的トラセ初顔合わせでした)では”ハモりのないコバルト”だったものの、2019年のライブツアー"Odyssey"では、きっちりと”ハモりのコバルト”が披露され。
コバルトの誕生から6年が経過し、2021年を迎えた今。
”ハモりのないコバルト”が、披露されました。

そこで感じたこと。

 

コバルトって、ここまでパワフルな曲だったっけ?

 

いや、コバルトは確かに力強い曲ではあるんです。
クールな曲調ですし、その後の「High Free Spirits」や「Free Turn」につながる系譜であるともいえる。

ただ、これはTrySail2枚目のシングル。
CD音源で聞くと、パワフルさに振り切っているわけではなく、音をちゃんと取ろうという意識があるようにも感じる。
若干の繊細さが顔をのぞかせている気もする。
CD音源って、そういうものなのかもしれないんですけどね。

ハモりって、そもそも「ハーモニー」、調和ですから、ものすごく音程に気を遣うんですよ。
バックグラウンドに音が足りない分、頼れるのは声だけで。
ハモりに挑戦したのが、ここに生きているような気がしました。

音程に自信が出れば、そこを気にせずよりパワフルにパフォーマンスすることができます。
今回の「コバルト」で感じたのは、あふれんばかりのパワーで。

ただただ、そのすごさに圧倒されました。
これが、6年の積み重ねか、と。

 

いつか、ライブで声が出せる日が、来ると思います。
これに関しては来てもらわないと困るので、それが一日でも早くなることを祈るばかりですが。

このコバルトを聞いて、思ったんですよね。
この、パワーアップしたコバルトなら、一節に言われているようなコールが入ろうが何しようが、全部薙ぎ払ってもろともせずにパワフルに突き進んでくれるんじゃないかと。
真っ直ぐにファンの心を突き刺してくれるんじゃないかと。

 

コバルトはコバルトであって。
次に披露されるときに、イントロの有り無しや、ハモりかどうかといった視点があまり注目されず、楽曲の強さやパフォーマンスで圧倒してくれる曲になっているだろうなと感じましたし、そうあってほしいなとも思いました。