たとえば野球だと、フレッシュで光り輝いている新人は、力任せなピッチングでも成績を残したりします。
150キロを越える直球、よく曲がる変化球。
そんな眉唾っぽく聞こえる前評判も、昔に比べて格段にデータが取れる今は、わりと本当だったりします。
若々しさは、既にプロになっている選手でも決して勝てない部分。
そして、一番大きなのは『戦い方を知られていない』こと。
『敵を知り己を知れば百戦危うからず』と言われたりしますが、知られていないことってものすごい武器で。
なのでルーキーでめちゃくちゃ勝ち星を積み重ねる選手が出てきたりするんです。
よく言われる”2年目のジンクス”は、一年目に投げすぎたとかではなく、単に『慣れた』の裏返しなのかもしれません。
ただ、若さと素質だけでずっと戦っていけるわけではなく。
肉体は年を重ねますから、新人の頃のフレッシュさや柔軟さはもうありません。
足も遅くなりますし、瞬発力も落ちてくる。
センスや閃きだけでできていたことが、通用しなくなってくる。
そして、”慣れられる”ということは、それだけ攻略しやすくなるということ。
衰えていくフィジカル面や、”慣れ”というものと、戦っていかなければならなくなる。
スタイルを変えなければならない時は、必ず、来ます。
わかりやすいので野球を例に出しましたが、これは野球に限ったことではなく、どんな職業の人でも、どんな立場の人でも、経験すること。
表舞台に立つ人でも、そうではなくても。
そのターニングポイントでどのように変われるかが、大きいんですよね。
変わらずに突き抜けられる人はいる。
ただ、それは本当に才能がズバ抜けている人で、ほんの一握り。
変わらないと生き残れないのに、変わらずにすがりついていることで、それが違和となって、上手くいかなくなってしまう。
そんなケースも、あるかもしれません。
長く成功し続ける人って、それが上手いです。
自分を客観的に見られるというか、セルフプロデュースが上手いというか。
それは今置かれている状況や、もしかすると年齢の時間軸で、色々な試みをしながら、これからの自分の道を進んでいっている。
私も、たぶん何度かのターニングポイントを過ぎました。
ズバ抜けて上手く行ったなんてことはありませんが、なんとか乗り越えてはこれたのかな。
最低限の舵取りだったかもしれませんが。
願わくば、私の関わる人が、成功してほしいと思う人が、それぞれのターニングポイントを、うまくスタイルを変えてながら乗り切ってほしいな、と、そう祈るばかりです。
最後に、ふとサビの歌詞を思い浮かべたこの曲を。
やがて来る それぞれの交差点を
迷いの中 立ち止まるけど それでも人はまた歩き出す
(GLAY「BELOVED」)