『初音ミクの登場』を、リアルタイムで見せられた世代になります。
最初は「これで何ができるんだ?」というところからはじまった、初音ミク。
一過性の話題で終わる可能性のあったミクですが、Pの皆さんが”神調教”を重ね、公的なところまで領域を拡大するほど人気となり、またniconicoなどの文化と噛み合うことで、今日の音楽の基礎にもなりました。
個人的には、初音ミクは”出来事”として捉えている部分が大きくて。
その存在意義とかはすごいなあと思いますし、ゲームチェンジャーになったと思っています。
しかし、その時代を生きてきたにしては、初音ミクの曲をそこまで知らなかったりするんですよね。
不思議でもあり、今となっては悔しさもあります。
メジャーな曲は知っていたり、聞き覚えもあるのですが、メジャーと言われる曲の中でもぴんとこない曲も多く、あとで誰かにカバーされて知った理だとか、メジャーな作曲家として登場したからが実はPだった、ということがわかって、逆輸入的に知った曲もかなりあります。
というのも、Machicoさんが「ハロ・ハワユ」をカバーしていた動画を見たからなんですけどね。
歌い慣れているということもあって、本当にめちゃくちゃいいカバーに仕上がっているのですが。
そう、私この曲、知らなかったんですよ。
Mchicosさんのカバーも、血が通うというか感情がこもった歌なのでとてもいいですし、原曲は原曲でミクらしさもあるし、内容は軽くないのに少し心が軽くなると言うまた違った印象を受けるなあと思います。
2010年代中盤に至るまでの近年の邦楽は、『誰もが知る国民的ソングがない』と言われていました。
ところが、ここ何年かは新世代が頭をもたげてきて、いい曲も増えて。
そして極めつけが、2019年から猛威を振るい始めた、YOASOBI。
今の最前線で曲を作っている方には、ボーカロイドがきっかけで作曲を始めたという方もけっこういると聞いたことがあります。
それで全てが説明できるわけではありませんが。
もし、初音ミクがいなかったら、今の日本の音楽シーンは、また違ったものになっていたのかもしれませんね。
初音ミクの登場から、15年。
今でも、その影響力は衰えないどころか、やっとその影響がはっきり出てきたのかもしれません。