つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

私的バイブル曲(1) Suara「トモシビ」

人生において、様々な局面で支えになってくれた、「バイブル」とも呼べる曲があります。 

第1回目として取り上げるのが、Suaraさんの「トモシビ」です。

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トモシビは、2005年に放送されたテレビアニメ「To Heart2」のエンディングテーマで、同時期に放送されていたインターネットラジオ「Radio ToHeart2」のエンディングテーマでもありました。
To Heart2はもともとがゲームでしたが、私はアニメから見始めた口で。
合わせて、落合祐里香さん(当時)と伊藤静さんがパーソナリティだったネットラジオも楽しく聞いていました。
ちなみにゆりしー派だったはずです(当時)。


ゆったりとしたメロディラインに、やさしく、しかし芯の通った美声が嚙み合った、とても素晴らしい曲です。
しかし、それ以上に、私はその歌詞に魅了されました。

この曲は『新たな環境に足を踏み入れた主人公が、未来の不安で立ち止まりそうになりながらも、一歩を踏み出していく』という、エールソングです。

それを踏まえて、1番のサビが、こちらです。

決して消えない トモシビを
燃やし続けたい
不安定な心に
未来を明るく 照らせるのはきっと 自分でしかない
照らせるのはきっと 自分でしかない

私は、この歌詞を最初に見たとき、すごい衝撃に襲われました。
曲調も、歌もとてもやさしい雰囲気に包まれているのに、「私がついているよ」とか、「がんばれ」という応援の言葉が、ない。
むしろ、そこに書かれているのは、
『自分の未来を照らすことができる人は、自分しかいない』
という、強烈な、かつ正しい現実。

当たり前なんですけど、人間、動くときは、自分が判断します。
誰かに言われて動いたように見えても、それは最終的に自分が「やる」と決めて動いているんです。
選択肢は、いつも自分が最終的に判断しているんですね。
誰かの応援のおかげでできました・・・といっても、それをやり遂げたのは、応援というバフを受けたその人自身なのです。

ちなみに、2番のサビがこちら。

もしもトモシビが くすぶって
夢や自分さえ 見失うときには
誰かが信じていてくれる僕を 信じてみよう

これも、ものすごい視点ですよね。
困ったときには誰かに助けを求めようでもない。
信頼できる誰かを信じようでもない。
「誰かが信じているはずの自分自身を信じよう」って。

こんな歌詞、誰が書けますか。
 

この曲は、何気なく聞いていると、普通の応援歌に聞こえるんです。
でも、言ってることは、かなり厳しい。
端的に言ってしまえば、『自分の足で歩け』なのですから。

でも、この曲の理念は、1番のメロにあるこのフレーズだと思っています。

僕が描いた 未来たちはきっと
叶えられるのを待っている

夢は「叶ったらいいな」と願うものじゃない。
手の届かない絵空事でもない。
私たちが目標として生み出して、そこに到達すべきものだ。
夢のほうは「早く叶えて、叶えて!」と、それを心待ちにしているのだ、と。 

この歌は、突き詰めてみるとかなりストイックな内容ではあるんですけれども、突き放しているわけでは、決してなくて。
曲全体に、作者のエールが散りばめられています。

この曲は、『何かを達成したい』と思って己の力で前に進もうとしている人にとって、最強の応援歌になってくれるんです。

 

私がこの曲に出会ったのは、大学生の頃。
目に見えない”就職”という壁に向かって、孤独な戦いをしていました。
その時に、本当に何度となく聞いて、私にプラスのエネルギーをくれて。
その壁を乗り切る力をくれました。

そして、働き始めてからもその壁というのは立ちはだかって。
それも、何度も何度も立ちはだかって。
理不尽なことも、学生の時の比じゃないくらいあって。
そのたびそのたび、立ち止まりそうになって。

それでも乗り切れるエネルギーになってくれた、その一つがまさに、この曲でした。

 

 

見方によっては、「アニメの曲だろ?」と言われてしまうかもしれない。
でも、私はたぶん、この曲がずっとバイブルであり続けるだろうな、と思っています。
"未来を明るく照らせるのは、自分でしかない"というのは、変わりようがないのですから。

ずっと大切に付き合っていきたいですね。