成功の裏には、失敗がある。
勝利の裏には、敗北が。
最近の作品は、『明確な勝利』『とんとん拍子に進むカラっとした成功体験』が多くなったなあと思います。
敗北にしても、よく描かれるのは”甲子園で惜敗した”に近い、『試合には負けたけど勝負には勝った』ような敗北。
触れている作品がそういうのが多いのかもしれませんが。
たまたま、CHEMISTRYの「BACK TOGETHER AGAIN」という曲を思い出して、それでふと思ったんですけどね。
私が見てきた作品は、ある時期までは、動と静でいえば”静”のものが多くて。
平成不況の時代に生まれた作品が主でしから、あまり明るい結末にはならず。
明るい形で終わったとしても、その幸せの形はボヤっとしていたりして、「これ、ハッピーエンド(グッドエンド)か?」という作品も多く。
そういった作品の根底にあったのは、言葉にすると
”儚く切ない、静かな敗北”
だった気がします。
たぶん、私の2000年前後って、そういった作品ばかりだったんですよね。
そういった作品ばかりを見て、育ってきた。
今は、底抜けに明るい物語が多い。
もちろん、その苦労は語られるし、ややセンセーショナルなまでに書かれるきらいはありますけれども、明るい闇は描かれるけどほの暗い闇はあまり描かれない、という感じがして。
作られた世界だけでなく現実でも、明るく楽しい成功が標準になった、そんな気がして。
それは、一つの答えなのだけれども。
そればかりだと、やっぱり「嘘じゃん」と思ってしまうこともあるし、たまには、ある意味陰鬱ともいえる、少しくらいダウナーなものにも触れたくなったりします。
生まれる作品も少し変わったかもしれませんし、私自身も、大事にしている作品はあまり変わらないものの、少し意識の向く分野は変わったかもしれませんね。
余談。
トリガーになっただけで、この内容には全然関係ないのですが、CHEMISTRYはいい曲が多いので、ぜひお聞きください。