つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

西園寺琴歌Pの特別な一日

2021年11月28日、場所は幕張メッセ
この日は、『アイドルマスター シンデレラガールズ』というコンテンツの10周年というお祝いの日でした。
そんなめでたい日に開催される周年ライブの会場に、他の参加者とはほんの少し表情が違う参加者がいました。
浅利七海。
八神マキノ。
そして、西園寺琴歌。
この3人を担当している、”プロデューサー”です。

彼女たちは、2021年の”ボイスアイドルオーディション(VIA)”でキャラクターボイスの実装が決まり、今回のライブで初めて、そのキャストさんが登壇してパフォーマンスを行うことになっていました。

 

会場では、気合いの入ったファンの姿を見かけました。
七海の缶バッジをずらっと揃えたビニールバックを持つ七海P(複数観測)。
お揃いの法被で熱気を高めるマキノP。
琴歌Pは、スーツ姿の人はそうかなと思ったりしましたが、あまり目立たず。
後にわかるのですが、実はさりげなく、うすピンクや薄紫のワンポイントを入れている人が多く、”自分ではなく琴歌を目立たせたい”という琴歌Pらしさを感じました。

会場に入っても、2つ隣の人が琴歌Pだったり、前方に七海やマキノのペンライトを持っているPがいたりして、新たに参加する”VIA組”を歓迎するムードが会場全体に漂っていて、とても心強かったです。

 

開演前のアナウンス。
「今回初めて登場するアイドルもいます」ということが言われ、目頭に熱く上ってくるものがありました。

 

1曲目の「なんどでも笑おう」。
アイマス15周年の全体曲で、”まさか初っ端には来ない”という位置づけの曲です。
そこに驚きながら。

全体曲なので、すべてのキャストがそこにいるはずなんです。
ところが、琴歌が・・・いない。
どこにもいない。
モニターにはツインテールらしき姿が映って、安齋さんかなとは思ったのですが、ステージ上どこを見てもいない。
VIA組は別の場所にいるのかと思って会場の後ろを見たりしたのだけれどいない。
2番の途中まで、私は琴歌を探し続けていました。

後でわかるのですが、ちょうど私の座席の位置の問題で、琴歌役の安齋さんがいる目の前に卯月役のへごちん(大橋さん)がいて、ちょうど隠れてしまっていたんです。
曲が終わり、MCのときにちょうど私の前あたりに移動してきて、初めて
”西園寺琴歌を演じる安齋由香里さん”
の姿を目の当たりにしました。

 

私が琴歌のプロデューサーになったのは、デレステのKeyコラボがあってからですから、2020年の6月頃でした。
安齋さん(ざいちゃん)は、「温泉むすめ」などのコンテンツを通して2018年頃に知っているので、実は琴歌より安齋さんを知ったほうが早かったりします。
他のコンテンツでも活躍していて、画面を通じて目にする機会も多く、その人となりはよく知っていたので、琴歌に選ばれたときも、とても安心感がありました。
しかし、私自身安齋さんが出演するイベントになかなか縁がなく。
このライブが初めての”安齋さんの出演するイベント”でした。

 

この時の私の感情をストレートに書きます。
「琴歌役のキャストさんがステージに立っている」という事実は、とても重みをもって心に届きました。
ただ、この時点で私が見えていた姿として、安齋さんはのちに「一度もしたことがない」と話した”ツインテール”の姿で出てきていたので、そこにいるのがざいちゃんという感じがなくて。
そして、MCの時間は琴歌を演じていないので、琴歌でもなくて。
”いつもの安齋さんとキャラクターとしての琴歌の中間のような印象”
だったんです。

そんな、摩訶不思議な存在の安齋さんは、先輩の立花理香さんの助けもあり、なんとかMCを済ませました。

 

「とどけ!アイドル」から始まり、個人曲につながるセクション。
ウサミンが「メルヘンデビュー!」で会場を盛り上げると、りっか様が「花簪」でしっとり締める、圧巻の流れ。

今回、「新しく参加するVIA組は出番が少ないよ」と、歴戦の多くのPから言われていました。
しかし。
ゆきんこさんが浅利七海役の井上ほの花さんを引き連れて「輝く世界の魔法」で出てきたとき、悟りました。
「今回、VIA組の出番、もしかすると多いぞ・・・」と。

 

その後のMCで、安齋さんは
”オーディションの時、大泣きしてしまった”
というエピソードを話しました。
アイマスへの思い入れの強さから、会場について動転してしまい、スタッフの人々に介抱されながらオーディションを受けたそうです。
私はそのとき、安齋さんが琴歌になった理由がわかりました。
多くの琴歌Pも、そう思ったのではないでしょうか。
『ああ、西園寺琴歌だ』、と。

 

その後のセクションは圧巻でした。
一日目にやって二日目なかったらショックだと言っていたほど好きな曲、「ガールズ・イン・ザ・フロンティア」から始まり、個人的な安野希世乃さんのイメージを180度展開させる「Rockin’ Emotion」、「Twilight Sky」「Claw My Heart」と続くロックなステージ。
私もガルフロ! ロキエモ! トワスカ! クロマイハー!UOをボキボキ折りまくりました。
「トワスカで前方にいたらオレンジを振って」と教えてくれたP、ありがとうございました。

そしてその後、へごちんとマキノ役の二ノ宮さんという(実際の)事務所(ホリプロインターナショナルですbyはっしー)の先輩・後輩コンビで歌う「メッセージ」に聞き入り。

次に流れてきた曲は、事前には聞いたことがなかった曲でした。
ただ、そこで登場したのは、安齋由香里さんと”あんきら”のふたり。
「どやふんす」がステージ上でも公式化する中で、琴歌役の安齋さんがあんきらのサポートを受けて歌い上げたのは、相場夕美のソロ曲「Dreaming Star」でした。
この光景は、ものすごく不思議で。
声はまだ緊張していて、だからこそあんきらのサポートが必要だったのですけれども、ダンスを含めた所作はだんだん琴歌に近づいて行っている感じが、しました。

MCでは、ふーりんこ福原綾香さんの
「やります。」
という即断のエモいエピソードも披露され、次のセクションに。
ほぼ同期組の「TRUE COLORS」、まつえり魂の叫び「2nd SIDE」、嘉山さんが引きずりこまれた「ドレミファクトリー」、翌日まで花井さんがオリメンだと思い込んでいた「命燃やして恋せよ乙女」と続き。

次に流れてきたイントロで、私は少し声を漏らしてしまいました。
「We're the friends!」です。
このライブに向けて予習する中で好きだった曲で、ただだいぶ前の曲なのでやると思わずそうなってしまったのですが。
さらに驚きました。
そこにるるきゃんと合わせて、ざいちゃん、琴歌が出てきたことに。

不思議なんですよね。
だんだん、ざいちゃんが琴歌に見えてくるんですよ。
ステージで緊張している弱さも、堂々とパフォーマンスする強さも、それは琴歌が併せ持っているはずのもので。
琴歌になっていく、というほうが、イメージに近いかもしれない。
きっと、ざいちゃん、安齋さんは、このライブ中に、ものすごい勢いで琴歌としての階段を駆け上がり、ものすごい成長をしていたんだと思います。

 

そんな”ウィアフレ”を琴歌が見事に勤め上げ、次。
私は琴歌Pですが、一番涙腺が危なかったのはここでした。
嘘だろ、と思いました。

                    Treasure☆ / 井上ほの花                    

新メンバー、まさかのソロです。

井上ほの花さんのステージは、前に見たことがあります。
2019年のナナシスの5thライブで、キャスト交代を経ての「新生Le☆S☆Ca」のキョーコ役として。
そのとき、計り知れないプレッシャーを抱えてステージに立った井上さんは、ステージ上で涙を流していました。

その井上さんが。
堂々と、大舞台の、ステージに一人で立ち、ずっとニコニコしているんです。
ちゃんと浅利七海ちゃんなんです。
もう感無量でした。

途中から”助っ人”として、へごちんと青木さんが登場するのですが、心配なのは七海が船に酔ってしまう演出がないかくらいで、船で大きなサバと格闘するという、まさに独壇場を演じた七海は、まさにこの曲の主役でした。

 

次のMCだった、と思います。
琴歌Pとして、とても印象的でした。
「ウィアフレ」の曲振り返りを行う中で、琴歌とのデュエットをした城ヶ崎美嘉役の佳村さん(るるきゃん)が、安齋さんの努力とステージの成果をとても褒めていて。
それについて、会場にこう呼びかけたんです。
「そうだよね?琴歌P!!!」

同じことを思っていた人もいましたけど、あの瞬間、本当に救われたような気持ちになりました。
るるきゃん、ありがとう。

 

エンディングに向けて熱気を高めていく終盤セクションは、「Gossip Club」から始まり。「Trancing Pulse」は、まさかのマキノがセンター。
歌手活動もバリバリこなす二ノ宮さんは、まつえりや長嶋さんに負けないパワフルさを発揮しました。
そしてここからしびれる2曲、「Just Us Justice」「∀NSWER」はこれまた格好良かった・・・

そしてここでついに、VIA組のユニット曲「Let's Sail Away!!!」
初出演の人しかいないはずなのに。
そこには、前からライブに出ていたかのように、堂々と。
七海が、マキノが、そして琴歌がいました。
解釈寸分違わぬ3人でした。

3人だけのステージは怖かったでしょう。
プレッシャーもすごかったでしょう。
でも、見事に、元気いっぱいにやり遂げた。
すごい、すごいよ。

デレステの演出にもなった会場の白い光が、少しでも3人の勇気になっていたら、幸いです。

そして、これを受けての曲が。
「ススメ☆オトメ~jewel parade~」

これはもう、反則でしたねー。
レジェンドすぎて。
そうそうたるメンバーによる、ススメオトメ。
堪能させていただきました。

 

そしてアンコール前ラストの曲「EVERLASTING」。
この曲は全体曲で、すべてのキャストが登場するのですが、この時点で、私は安齋さんが琴歌に見えました。
ざいちゃんは、このライブを通して、琴歌になったんだな、と思いました。

EVERLASTINGの意味は”永遠”。
この作品が、延々と続いていきますように。

 

アンコール、特報(謎アニメ)と続いて最後のMC。
安齋さんは、「琴歌ちゃんは10年もアイドルをやってきたけど、私は今からだから、少しでも琴歌ちゃんに追いつけるよう頑張りたい」と、涙をこらえながら。
その言葉を聞いて、こう思いました。
ざいちゃん、琴歌になってくれてありがとう。
これからの琴歌を、よろしくお願いします。

井上さん、二ノ宮さんと、VIA組が涙していく中、ざいちゃんも決壊。
りっか様がすっとタオルをとりだして渡す姿が印象に残っています。
先輩に恵まれてよかったねと。

 

最後は「お願い!シンデレラ」。
かき回しありのわちゃわちゃステージですが、ざいちゃんが二ノ宮さんや井上さんとわちゃわちゃしながらステージ上を”泳ぐ”姿を見て、ホッとしました。

 

 

こうして、琴歌Pの長い一日が終わりました。
琴歌を見守るだけでなく、だいぶ楽しんでしまったような気がします。
でも、それでいいとも思っています。

琴歌がざいちゃんでよかった。
声やステージング、色々な見方がある中で、”西園寺琴歌に対する意識”をとても大事にしていることがわかりました。
単にキャラクターが好きなだけではない、憧れだけがあるわけではない。
きちんと、このキャラはどういう人となりで、どういう考え方を持っていて、どんなステージをするか。
それをしっかり考えて、そこに近づけることができるから、その努力ができるから、ざいちゃんが琴歌になったんだなということが、わかった気がしました。

そして、何度も書きましたが、このライブの中での成長がすごかった。
見せ方もあるかもしれないし、そういう捉え方は好まないかもしれません。
ただ、見守っている側としては、そう見えて。
ざいちゃんがどんどんどんどん琴歌になっていったんです。
それはすごいことだったし、それをこの目で見ることができたことは、幸せでした。

最後に、琴歌をこの世に現界させてくれたこと。
これについては、感謝しかありません。
ざいちゃん、本当に、ありがとう。

 

琴歌にとっては、ここがSail Away、まさに出航の時です。
10年を経て、大海原に漕ぎ出していく琴歌の、微かでも追い風になれたら、幸いです。

本当に、幸せなライブでした。
皆さん、ありがとうございました。

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