つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

なろうと思ってなるもんじゃなくてさ

オタクはなろうと思ってなるもんじゃなくてさ
も 気がついたらなってるんだって 
        ―「げんしけん」より、春日部咲

げんしけん」の、わりと有名な一節かなと思います。
当時はまだイロモノとされていた”オタク”がどんな人種であるかを、的確に表現したセリフで。
身もふたもないものの、見事にオタクそのものをドンピシャで表した表現でした。
これに限らず、げんしけんはこういった描写にハッとさせられるものが多く、個人的には今でも好きな作品のひとつになっています。

 

この捉え方は、何にでも応用できる気がしますが。
推し事も、これだよなあと思ってしまったりもします。

 

誰かを好きになるときって、「好きになろう」と思ってなるわけじゃないですよね。
気付いたらなってる。
誰かにレールを敷かれたりすることはあるかもしれないけど、自分の感情で決めている。

その見方をしたくないという人も多いかもしれませんが、自分の感情ひとつなので、水物でもあるんですよね。
上に下に、右に左に大きく触れる。
触れないほうが不自然で。
その波長の中で、好きなものと重なる期間がずっと長くなっていけば幸いだし、そうでなかったらちょっと残念だったね、ということになってしまう。

 

好きなものを、ずーっと好きで居られたらそれ以上のことはありません。
そういられるものもあったりします。
でも、人の心は揺れ動くし、移り変わる。
その確約ができるほど、人間は単純には出来ていません。

一途でいられたらよかったのかもしれない。
そのほうが信頼されたのかもしれない。
でも、そんな純粋さや一途さが仮初めだということは、たぶん自分たちが一番わかっていることなんだろうなとも思います。

人は過去も見れるし、未来も想像することが出来ます。
それは同時に、過去や未来に縛られてしまうこともありえます。
今の感情に素直になること、わりと大事じゃないかなと。
いろいろ考えてきて、今大事にしたいのは、その感覚だなと思っています。