つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

私達は明るい方に向かって好意を抱くわけではない 〜有馬かな・推しの子の話〜

有馬かな。
【推しの子】に出てくる、重要な登場人物の一人。
子役あがりの高校生女優。
彼女はYOASOBIの「アイドル」に歌われる"誰もが目を奪われていく 完璧で究極のアイドル"ではない、のだけれど。

 

原作の漫画は読んでいません。
ただ、漫画の紹介はネットで無料公開されていて、それを読んで「すげえ設定の漫画だなあ」という印象は持っていて。
アニメも”1話が90分”という話題性もあって1話から見ていました。

ただ、推しの子の最も根幹になる設定の部分は、正直マンガの最初とボリュームたっぷりだった序盤でお腹いっぱいになってしまっていて。
そこが目当てだったら、途中で見なくなっていたかもしれません。

でもそこで見続けて、今に至ります。
その理由は、言うまでもなく。

有馬かな。

 

どこで落とされたのかもうわからんです。
ただ、3話の時点でとにかく気になっていて、そのときには友人から「ああいうタイプ好きそう」とものすごく納得されたのは覚えている。
「今日甘」の最終回の涙で絆されたのかもしれない。
『10秒で泣ける天才少女』のキャッチフレーズはダテじゃない。
それから後はずっと有馬かな単推し。少なくとも【推しの子】内では。

 

じっさい、有馬かなという少女は、才能はものすごくあるんですよ。
そうでなければ、子役から活躍なんかしないし、コミュニケーションもうまく出来ない。
歌だって上手いし、才能がある万能型。
ただ、彼女のそれまでの人生から、自分を「才能がない」「周りに合わせるタイプ」と評している。

 

【推しの子】という物語が、表舞台の面だけを描いているわけではなく、どちらかというと裏側を描いている作品だということもあるんですけど。
彼女の明るい面ばかりが見えているわけではないんです。
むしろ、素の性格だとか、本来は表に見せないところのほうが見えている。
でも、なんで好きと思えているのか、応援したいと思っているのか。
有馬かなには報われてほしい。
トップに駆け上がってほしいと思うのか。

それは、明るいところ以外を見ているから、だと思うんです。

 

完璧で究極のアイドルみたいな人は現実にもいます。
そういう人は人気もあるのだけれど。
「より人気が出てほしい」とすごいパワーで応援する人数は、他と比べてそんなに多いわけではなかったりする。
完璧であればあるほど、他の人の手を借りずとも成り立ってしまう。
自分の応援はこの人にとって必要なのかな、そんな感じになるのかもしれない。

明るくない部分を見て応援したくなるってのは、ある意味理にかなっているんです。
少し前に話題としてあった、だめな男を女性は見限れないみたいな話も、それに近い部分がおそらくあって。
光る部分があって、かつウィークポイントがあるからこそ、応援したくなる。
そういうのはあると思うんです。

 

有馬かなはもっともっと救われてほしい。
その思いだけでここまで筆が走りました。
現時点で、アニメ【推しの子】のかなりのメイン担っている有馬かな。
彼女がますます応援されて、ファンがあまりいないと思ってしまう自己評価の低い有馬かなが、彼女のファンがとんでもなく膨れ上がっていたことに気付いて号泣するような未来を、心から願っています。

 

 

最後に、この曲を聞いてください。
有馬かなで「Full moon…!」。

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