つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

地方から見たアニメツーリズムと、10年後の効能

今はご時世的に縮小はしているものの、様々な作品にゆかりのあるの地をめぐる旅というものは今でも根強く行われています。
アニメツーリズムなどと呼ばれて、その功罪はいかに、みたいな話がわりと言われてきました。

わかりやすいので『アニメツーリズム』と言いましたが、これはアニメに限らず。
アニメとよく一緒に語られるゲームでも、漫画でもいいんです。
メディアを通じてコンテンツを提供する”クロスメディアプロジェクト”でも勿論いい。
映画やドラマ、アイドルや声優など人にフォーカスを当てた”聖地巡礼”的なものも含みます。
その意味では、『ファンツーリズム』なんて呼び方が合うのかもしれないですけどね。

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さて、そんなツーリズム。
地方の側から「実際、どうなのよ?」というところを少し書いてみますと。

『どんな形であれ、注目してくれて、来てくれるのであればとてもありがたい』

正直なところこれに尽きる、と個人的な意見ですが思っています。

作品の中であのキャラクターがこうしたという事実だけはあって、実際にそこでアトラクションがあるわけでも、何かがうっているわけでもないけれど、それでも来てくれる人がいる。
それって、本当に普通はありえないことで、二重の意味で”有り難い”ことなんですよ。

色々な課題やトラブルみたいなものが浮き彫りになったりしますけど、それはどんな形で旅行しても多かれ少なかれあるんです。
何もアニメやファンコンテンツだから起こっている話ではありません。
ある意味、マイナスの方面で注目しやすいから話が大きくなるだけで、何をフックにしても起こりうることです。
極端な話、些細な問題よりは『写真を加工しすぎていて、実際は違うじゃねえか』という苦情とかのほうがよっぽど多いんじゃないか、と思ったりします。

 

 

これだけでは普通の話なので、もう一つ別の話を書いてみます。
それは、アニメなんかでよくある、「ファンが来るのは一過性だ」という問い。
実際、ブームになれば人は来るけど、それが落ち着けば来る人が減るというのはありますし、それがある意味自然の流れです。
それゆえに、「一時的に人気が出てもねえ・・・」という声も出てくるわけですが。

例えば、これを読んでいる皆さんが、そういったコンテンツに触れたのがいつか、思い返してみてください。
私のように、”社会人のアニメ好きや声優さんのファンです”って人も少なくないかと思いますが、ほぼほぼの皆さんが通っているのは、学生の頃だと思うんです。

学生の頃って、行きたいと思った場所にすんなり行けたかというと、行けないんですよね。
あの漫画の舞台があそこだ、アニメのモデルはあそこだ、じゃあすぐに行こう。
行けないんです。
私達は歳を重ねますが、いいアニメなどの作品は色褪せません。
そうなると・・・
何年か後に、その舞台に行ってみようと思って、行くんですよ。

私の場合も、ずっと行きたい、行きたいと思っていて、なかなか行けなくて、それこそ作品を知った10年後くらいに行ったところもあったりするんです。

リアルタイムで現地を訪れることにも価値があります。
あとになったらなくなってしまう建物や景色ももちろんある。
でも、その場所に何年か前、確かにあのキャラクターがいたなあとか。
この場所を舞台に物語が生まれたんだとか。
そういう記憶って、やっぱり褪せないんですよ。

だから、一過性だと思われるケースもあるんですが、長いスパンで考えてみると、思っても見なかった効果になっているかもしれないんです。

アニメではないところだと、今や立派な観光地というイメージの尾道も、映画の舞台として人気が出ていたりしますし、富良野とかもそうですよね。
そんなケースは、わりと全国にあったりするんです。

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そんなこんなで、久しぶりにこんな話を書いてみました。
もっと色んな切り口で書けるテーマなので、また気が向いたら筆を走らせてみます。