つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

かつて天才だった俺たちへ(Creepy Nutsの曲)が私たちに伝えてくれること

Creepy Nutsの「かつて天才だった俺たちへ」が、今になって猛威を振るい始めました。

先日、

といった文章を書いたこともあって、ラップ曲への意識が高まっていたのもあり。
そこで、既に聞いていたCreepy Nutsのこの曲が、なんだかブッ刺さってしまったんですよね。

Creepy Nutsの存在自体は、以前の『ももいろ歌合戦』あたりから知っていて。
いちおう、この曲で一番古い記憶に残っているのは、NHKの「シブヤノオト」でシンデレラの前後で即興ラップをやって曲を披露したときでした。
ただ、聞き覚えがあったような気もしていて、その前にも何らかの形で聞いていたのだと思います。

その後、大晦日の『第4回 ももいろ歌合戦』でこの曲に再会。
その時のつぶやきを振り返ると、やはり何か思うところはあったみたいで曲名をつぶやいています。

abema.tv

そして、今。
大ヒットコンテンツ『THE FIRST TAKE』の動画と、MVをみて、刺さりに刺さってしまいました。

まずはMVから紹介します。

www.youtube.com

とてもライムがキレッキレ。
リリックはどこも重くて鈍重で、全部書き起こして嚙み砕きたいくらい。
ただ、とっつきづらさがまるでなかった。

理由は二つあるなと思っています。
一つは、このCreepy Nutsというユニットの成り立ち。
Wikipedia情報ではありますが、『怖そうな人が多い中怯えていた者同士で友達になった』というのが結成のきっかけだったんだそうです。
界隈では陰キャラの味方”とも言われているらしく、確かにこの二人を見ていると怖さはあんまり伝わってこない。
このあたりがなじみやすさなんだろうなと思います。

もう一つは、「日本語を主体としたラップ」であること。
ラッパーのR-指定さんが会見の場で話している動画を見たのですが、そこでは
日本語ラップを愛することについては負けません』
という発言をされていたんですね。
確かに、「かつて天才だった ー」では、そこまで英語のワードは使われていない。
それも、わたしたち日本人に取ってみれば安心材料だったりします。

歌詞については、分析していいのかどうか分かりませんが、どこを取っても語りたい部分だらけ。
何かをできると思い込んでいた頃を、できないと気付かなかった時代を、『かつて天才だった』『神童だった』と表現する。
そして、今成功していないことを善しとする、俺らはまだまだこれからだと言い切ってくれる安寧。
タイミングを見計らってぶちかませばいい、大器晩成に構えてろという、もう一つの道の提示。

今の時代に、とても合っていると思いました。

今って、本当に若い自分に道が決まっちゃうじゃないですか。
私なんかも、ご多分に漏れず必死こいて学生時代を生き抜いて、今のポジションにいるわけです。
ただ、そこに至るまでは、色々なものをすり減らしてきた。
犠牲にしてきた。
『生き急いできた』と言ってもいいかもしれない。

果たして、その別の生き方はなかったのか。

急ぐことだけが正解じゃない。
人にはそれぞれその人の正解がある。
セオリーも人の数ほどある。
だから、それを見極めていけ。
お前の保証は俺たちがしてやる。

「かつて天才だった俺たちへ」という歌からは、そんな気概をもらえます。

 


最後におまけ的な話で。
ぜひTHE FIRST TAKEのこの曲を歌う前のふたりの”ディスり合い”を聞いて欲しい。
もう、下に貼っておきます。

確かにディスなんですけど、信頼もそうですし、仲の良さが垣間見えるんですよ。
仲が良くて、それぞれ長所がある二人がユニットを組んだら、こうなるんだろうなという、”理想郷”。
ぜひ、見ていただきたいなと思います。

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わたしも、まだ諦めてませんよ。