つるまうかく

群馬在住ヲタクのネット書斎

ちゃんと見てるよね

遅ればせながら、アクアトープの9話を見ました。
沖縄の水族館を題材にした、P.A.WORKSの新作オリジナル作品。
「ああ、これがP.A.だ」と思ってしまうような内容に、今回も楽しく、そして考えさせられながら見ています。

登場するキャラクターの中では、宮沢風花がとても好きです。
控えめな性格もあってアイドルをドロップアウトし、水族館にたどり着いた彼女が、これまでに築き上げてきた自身の考え方を軸に、成長しながら、水族館に溶け込んでいく姿がとても素敵に映っています。

 

今回、水族館を訪れた人物が、常連さんが水槽を全然見ていないこと愕然とする場面があって。
「全然見ていないじゃない」とつぶやくんですね。
しかし、実はこれ、常連さんは”既に生き物を見すぎているから、見ていない”んです。
それに対して、風花が「ちゃんと見てるよね」とつぶやくんですね。
このあたり、風花らしくてとても好きなふるまいだったんですけれども。

 

この「ちゃんと見てる」という考え方、私は好きです。
今や、思っていることをストレートに表現することが、少なくなっていて。
常に、何かを取り繕っている気がします。
でも、取り繕ったものって、どこかで必ずボロが出るんですよね。
聡い人が見ると、ちょっとした違和感を見つけ、「あれ?」と思われてしまう。

たぶん、傍から見て、何かが違うんですよ。
ファッションやメイクが変わるとすぐ気づく人っていると思うんですが、それと同じで、それをふるまいレベル、声色や表情から読み取れる人って、います。
無意識か、意識してかはわかりませんが。

使い古された言葉”お天道さまは見ている”じゃないですけど、本心は見抜かれている、と私は思っています。
なので、できるだけ素直に、思っていることを表現するようにしています。
取り繕った仮面は、いつか剥がれ落ちるかもしれませんけど、真実ってうそのつきようがないから強いんですよ。

もちろん、取り繕うことも未だ多いです。
そんなに器用な人間ではありません。
でも、何か迷ったら、後悔しないほう。
本音を選ぶようにしています。
誰かが、「ちゃんと見てて」くれているはずだから。

 

お話の導入に書いた、風花の考え方。
あまり多くは語られてきていませんが、彼女は、アイドルとして活動していました。
アイドルは、一挙手一投足をファンに見られ続けている存在。
そんな彼女だからこそ、”誰かがちゃんと見ていてくれている”という感覚があって、「ちゃんと見てるよね」につながったんだな、と勝手に思ったりしています。