この曲を知ったのは、いつのことだったでしょうか。
間違いなくデレステに触れる前に知っていて、「アイドルマスターシンデレラガールズ」というコンテンツの縛りを飛び越えて評判が聞こえてくる、そんな曲でした。
ゆったりとした歌唱にも関わらず、後ろに流れるメロディのBPMは178と速め。
そのため、曲自体が準疾走感を持ちながらも、サビ前からゆったりになるのも手伝って、曲自体が持つイメージは「ゆったり」で変わらず。
厳密にはバラードではなく、ベースを中心にした種類の楽曲なんだそうです。
そんな”ゆったりさと心地よさの融合”も曲の魅力かもしれません。
途中にややアカペラの要素も含むこの曲では、その歌唱にも注目せざるを得ません。
音すら置いていってしまうようなずば抜けた歌唱力が必要な曲ではありませんが、このメロディに合わせて物語を作り上げ、それぞれのボーカルが他の声と調和しあうという高い技術が必要にもなってくる曲です。
特筆すべきは、メロディに乗せて紡がれる歌詞によるストーリーテリング。
一節には「銀河鉄道の夜」をモチーフにしたとされる歌詞が、その物語を情感たっぷりに演出します。
とはいえ、今となっては銀河鉄道の夜といっても、
『ジョバンニとカムパネルラが銀河鉄道に乗って宇宙を旅するという不思議な物語で、現実の世界ではカムパネルラが溺れていなくなってしまった』
くらいのことしか思い出せないのですがね。
この「さよならアンドロメダ」も、それに倣って、
『僕が君に出会って、隣の銀河であるアンドロメダを目指して、君と別れる』
という物語になっています。
6分と少しの歌の中で、一つの物語を歌い上げてしまった。
元とされる銀河鉄道の夜も、さよならアンドロメダも。
『人は誰かと出会って、共に過ごして、最後はわかれるんだよ』
ということを言っています。
悲しいけど、人間ってそういう生き物なんですよね。
誰でも、最後はひとりになる。
でも、そこまでのことは無意味だとは、誰も言っていなくて。
その一緒にいた時間はとても大切なものだし。
別れた人を思い続けることもできる。
そして、最初は泣いていても、いつか思い出して、微笑むことができるかもしれないから。
そして 今夜 今夜 そうお別れ
きっと もう 会えないけど
ずっと ずっとさ きみを思っているよ
泣きはらした顔も 声も
ねえ いつでも きみはすてきだったよ
僕らはきっときっとそう一人で
僕の足で帰るよ
今日でさよなら
さよならアンドロメダ
そして夏の終わり
雨が静かに降る夜は
君のことを思い出すから
空見上げて微笑むから